予備校講座で合格を目指すこともできますが、私は、行政書士に独学で合格することができました。
独学での合格を目指した理由は、もちろん金銭的な面もありますが、何より学習時間を短くするためです。「予備校の講義を聞く1時間」よりも「テキストを読んで知識を定着させる1時間」の方が、あなたにとってより多くの情報量を学習することができるはずです。仕事や育児で限られた時間の中で合格を目指すなら、効率を最大化する独学は最高の戦略となります。
一方、予備校講座の場合は、合格に導いてくれる講師によるアドバイスがあります。独学の場合はどうしても一人での戦いで孤独になりがちで、そのため、自ら正しい戦略を立てる必要がありますが、その戦略を信じて学習をし続ければ、必ず合格できる資格です。
合格へのロードマップを自ら立て、確実に遂行していくことが、合格への近道です。今回は私の合格に向けた戦略や勉強法、スケジュールについてお伝えしたいと思います。皆さまの学習の参考になれば幸いです。
独学で合格するための戦略
- 意識:「次の本試験で絶対に合格する」と心を決める。(ブレない覚悟が全ての土台です。)
- 教材:合格に必要な教材だけを選び、その教材を徹底的に学習する。(浮気は絶対にNG!)
- 実行:合格に向けた学習スケジュールを組み、確実に実行する。(計画倒れは最大の敵です。)
この3つです。この3つを確実に守って実行できる人が独学で合格できます。この3つを守れないと独立のメリットが失われるばかりか、何年たっても合格できないという悲しい結果になります。
独学での学習期間中は、常に不安や心配が出てくる場面が出て気持ちがブレてしまう時があります。そんな時は、この3つを想い出して、自分の学習が正しいと信じて、確実に遂行するようにしましょう。
特に、不必要に他の教材に手を出したり、細かいことまで気になって余計な時間を使うといった兆候が出てきたらヤバいので、気をつけましょう。
特に、不必要に他の教材に手を出したり、細かいことまで気になって余計な時間を使うといった兆候が出てきたらヤバいので、気をつけましょう。
合格に必要な勉強時間は?何か月前から始めたら合格できる?
合格に必要な時間は「約1000時間」などとも言われています。例えば、平日は2時間、土日は5時間勉強できるとした場合は、合格に必要な期間は約50週のため、だいたい1年で合格できるという計算になります。
しかし、実際には、一人ひとりの集中力や体力、学習ノウハウによって大きく左右されるため、半分の500時間で合格できる人もいれば、合格まで何年もかかってしまう人もいます。
そのため、「約1000時間」という数字にはあまり意味がないので、深く考えないようにしましょう。
なぜなら、あなたは先ほど戦略をたてて、心に決めたはずです。「次の本試験で絶対に合格する」と。
「約1000時間」という数字はあなたの合格とは関係ありません。あなたが意識すべきなのは、「時間」ではなく、「タスク」です。この後記載するタスクを確実に実行するようにしてください。そうすれば、合格に近づいていきます。
このタスクを実行するためにかかった時間こそが、あなたにとって必要な勉強時間となるのです。さぁ、その「タスク」=独学の5ステップを見ていきましょう!
基本的な学習スケジュール
どの科目から学習するか
法律科目は1科目ずつ集中して学ぶ方が効率的です。というのも、法律学はまずは全体像を掴まないと各論が理解できないようになっているためです。そのため、例えば、民法の学習を始めたら、とりあえずざっくりで良いので、民法を最後まで一気に学習した方が、習得しやすいです。
以下で、独学の5ステップを解説しますが、最初は1科目ごとにSTEP1を終わらせ、全科目終了したら、次は1科目ごとにSTEP2に移りましょう。
各科目の学習の進め方
特に法律初学者の方は、1週目は分からないことだらけですが、細かいことは気にせず、とにかくテキストを読み進める、問題を解き進めましょう。ほとんどの肢で間違えると思いますが、合格者の誰もが通る道です。気にせず、2週目、3週目とどんどん進めていくうちに、段階的に理解を深めていけばOKです。
まずは民法を最低3周ほど回して、行政法も最低3周回してください。ある程度、理解が進んできたら、肢別問題集をひたすら解きましょう。最終的に、肢別問題集の肢は全て正解できるレベルまで引き上げたいです。
また、誤っている肢については、どう間違っているか、どういう記載が正しいかが分かるようにしたいところです。
そのため、STEP2以降に進んでも、肢別問題集を解くようにしましょう。
肢別問題集の問題を一通り学習し終えたら、過去問を1~2周は回してみましょう。その際、間違えた問題や疑問点が出てきたらテキストや条文に戻って確認しましょう。
また、過去問は、出題形式に慣れる、出題傾向を知るという目的意識を持って取り組むことが大切です。肢別問題集の肢と異なり、合格に不要な知識となる選択肢も混ざっているので、全ての選択肢を理解・記憶するまで仕上げる必要はありません。
過去問を解くと、得意な科目がある一方で、不得意な科目が見えてくると思います。記述式や判例に関する問題が苦手な場合は、「記述式問題集」や「判例集」を購入して学習しましょう。なお、これらは深追いしてはいけません。本試験までに、それぞれ2~3周くらい回せば十分ではないかと思います。
あくまでも、ベースとなる学習方法は肢別問題集を徹底的に解いて覚えることです。
試験の3か月前から1か月ごとに模擬試験を1回受けましょう。だいたい、7月末、8月末、9月末ぐらいです。STEP1~3が終わっていなくても必ず受けてください。
模擬試験を行う最大の目的は、現在の自分の点数と合格点との差を確認することが最大の目的です。
結果に一喜一憂せず、模試の結果を分析して、どこに重点を置いて勉強をするかを判断しましょう。そして、学習の優先順位を明確にしましょう。
最後の暗記タイムです。ここで覚えたことは試験本番で正確かつスピーディーに解答できます。直前期の1~2週間で、これまで何度も間違えた問題、覚えられない内容、苦手分野の全てに目を通しましょう。
その準備のために、普段の学習の際に仕分けをしておきましょう。直前期に見直すべき情報に付箋を貼る、マーカーを塗るなど自分なりのやり方で整理しておきましょう。
私の場合は、行政法の準用、民法の各条文の善意、悪意、過失や重過失の確認など、苦手意識のあるところをまとめておき、最後に確認できるようにしておきました。
まとめ:独学合格は「戦略」と「実行力」で決まる
行政書士試験の独学合格は、決して特別な才能が必要な道ではありません。
- 「合格する」という確固たる意思
- 選んだ教材を信じ、徹底的に繰り返す実行力
この2つがあれば、あなたも最短ルートで合格を掴むことができます。
常に不安を感じたときは、今回紹介した戦略とステップに戻って、自分の学習が正しいと信じて進んでください。影ながら応援しています!

