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フロル行政書士事務所(横浜)
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「この設備投資、国の補助金と横浜市の補助金、両方使えたりしませんか?」
補助金の相談で、こう聞かれることがよくあります。結論から言うと、複数の補助金を併用できるケースもあれば、できないケースもあり、しかもその判断は補助金ごとの細かいルールに左右されます。「なんとなく大丈夫そう」という感覚で進めてしまうと、後から片方の補助金が取り消しになってしまうこともあるため、注意が必要です。
今回は、複数の補助金を併用する際のルールと注意点を整理してご紹介します。
所長 フロル補助金の併用は”組み合わせ自由”じゃなくて、実は結構ルールでガチガチに固められているんです。今日は”どこまでならセーフか”を一緒に確認していきましょう!
補助金の「併用」には、大きく分けて2つのパターンがあります。
このうち①の「同じ経費に複数の補助金を充てる」ことは、原則として認められていません。一方、②の「経費ごとに補助金を使い分ける」ことは、条件を満たせば可能なケースがあります。この違いを理解しておくことが、併用ルールを読み解く第一歩です。
補助金は、税金を原資として事業活動を後押しする制度です。同じ経費に複数の補助金が重ねて使われてしまうと、実質的に事業者の自己負担がなくなり、あるいは補助額が経費を上回ってしまうことすらあり得ます。これは補助金制度の趣旨に反するため、多くの補助金では公募要領に「他の国又は地方公共団体等の補助金等の交付を受けている(受ける予定がある)経費については、補助対象外とする」といった趣旨の規定が明記されています。
この規定に違反した場合、後から発覚すると、交付決定の取り消しや補助金の返還を求められることもあります。悪意がなく「知らなかった」場合でも、返還義務は免除されないことがほとんどです。
よくある事例: 国の補助金で設備導入費用の一部を賄い、同じ設備の残りの自己負担分について、後から横浜市の別の補助金にも申請してしまったケースがあります。事務局間で情報共有が行われた結果、重複受給と判断され、後から発覚した市の補助金について交付決定が取り消される事態となりました。
一方で、同じ事業の中でも、経費の項目を明確に分けることができれば、複数の補助金を併用できる場合があります。たとえば、店舗の改装工事を行う際に、内装工事費はA補助金で、厨房設備の購入費はB補助金でといった形で、経費区分ごとに申請先を分けるイメージです。
ただし、この場合でも次の点に注意が必要です。
経費を分けるつもりでも、実際の見積書や請求書が一括りになっていると、後から「重複と疑われても仕方がない」状態になってしまうことがあります。発注段階から、補助金ごとに経費を明確に分けて見積もりを取ることが重要です。
よくある事例: 店舗の開業にあたり、内装工事費用を国の補助金、什器購入費用を神奈川県の補助金でそれぞれ申請しようとしたところ、施工業者から提出された見積書が「内装工事一式」としてまとめられており、什器費用との切り分けが不明瞭だったため、両方の事務局から見積書の再提出を求められたケースがあります。あらかじめ経費区分を意識して見積もりを依頼していれば、スムーズに進められた事例です。
補助金の実施主体には、国、都道府県、市区町村などさまざまなレベルがあります。実施主体が異なるからといって、自動的に併用できるわけではない点に注意が必要です。
どの組み合わせが可能かは、それぞれの公募要領を突き合わせて確認する以外に方法がありません。「国と市だから大丈夫」「県と市だから大丈夫」といった一般論は存在しないと考えておいた方が安全です。
これらを事前にクリアにしておくことで、後から重複受給を指摘されるリスクを大きく減らすことができます。
Q. 補助金と融資(日本政策金融公庫など)は併用できますか?
A. 補助金と融資は性質が異なるため、多くの場合は併用可能です。むしろ、補助金は交付が事業実施後になることが多いため、着手金や立て替え資金として融資を活用するケースは一般的です。ただし、融資の使途と補助対象経費の関係については、金融機関側にも説明が必要になることがあります。
Q. 補助金とふるさと納税型のクラウドファンディングは併用できますか?
A. 制度上、明確に禁止されていないケースも多いですが、資金の性質(寄付金か補助金か)によって会計処理や税務上の扱いが異なるため、個別に確認が必要です。
Q. 同じ補助金に、法人と個人事業主の両方の立場で申請することはできますか?
A. 事業実態が同一であれば、通常は同一事業者とみなされ、二重申請として扱われます。組織形態を分けたとしても、実質的な事業の同一性が疑われれば併用とはみなされません。
複数の補助金の併用可否は、それぞれの公募要領を突き合わせて確認する必要があり、事業者自身で全ての組み合わせを把握するのは簡単ではありません。特に、経費区分の切り分け方や、見積書・発注書のレベルでの証憑の整理は、実務経験がないと判断が難しい部分です。「この組み合わせは大丈夫だろうか」と迷った時点で専門家に相談することで、後から重複受給を指摘され、交付決定が取り消されるといった事態を未然に防ぐことができます。
複数の補助金の併用は、「同じ経費への重複受給」は原則禁止である一方、「経費を明確に分ける」ことができれば可能な場合があります。ただし、その判断は補助金ごとの公募要領に大きく左右されるため、一般論だけで進めるのは危険です。経費区分を意識した見積もり取得と、双方の事務局への正直な申告を徹底することが、安全に併用するための基本です。
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本記事は令和8年7月時点の情報に基づいて作成しています。補助金制度は公募回ごとに内容が変更される場合がありますので、実際の申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご確認ください。また、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の併用可否を保証するものではありません。
なお、雇用関係助成金等、社会保険労務士の業務範囲に該当する助成金については、社会保険労務士にご相談ください。

