運送業(トラック)を始めるには?一般貨物自動車運送事業の許可要件・申請の流れを行政書士が解説

一般貨物自動車運送事業許可|フロル行政書士事務所

✏️ この記事の執筆者

フロル行政書士事務所(横浜)
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「トラックで荷物を運ぶ仕事を始めたいけど、何の許可が必要?」 「緑ナンバーを取るには何が必要で、どのくらいかかるの?」

所長 フロル

一般貨物自動車運送事業の許可は、要件が複雑で、準備期間も長くなります😅許可取得まで最短でも5〜7ヶ月、自己資金も1,500万〜3,000万円が目安。始める前にしっかり要件を確認しておくことが大切です!

この記事では、トラック運送業(一般貨物自動車運送事業)を始めるために必要な許可の要件・申請の流れ・かかる費用・許可後の義務まで、行政書士がわかりやすく解説します。


目次

一般貨物自動車運送事業とは?

一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じて有償でトラック等を使用して貨物を運送する事業です(貨物自動車運送事業法第2条)。

いわゆる「緑ナンバー(営業ナンバー)」のトラックで運送業を営む事業がこれに該当します。

似て非なる業種との違い

業種車両ナンバー手続き
一般貨物自動車運送事業トラック(軽自動車以外)緑ナンバー許可(厳格)
特定貨物自動車運送事業トラック(特定の荷主専用)緑ナンバー許可(緩和)
貨物軽自動車運送事業軽トラック・バイク黒ナンバー届出(簡易)

重要: 許可なしに有償で他人の荷物を運ぶ行為(白トラ運送)は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)の対象となります。2026年4月施行の改正により、荷主側にも罰則(100万円以下の罰金)が科されるようになりました。


2024〜2026年の主な法改正ポイント

一般貨物自動車運送事業は近年、大きな法改正が続いています。

①2025年4月施行:物流2法・第1段階(2024年5月公布)

  • 運転者の年間拘束時間3,300時間・1か月284時間の規制強化(2024年問題への対応)
  • 一般貨物自動車運送事業者への書面交付義務化(運賃・燃料サーチャージ・待機時間料等の明記)
  • 一般貨物自動車運送事業者への実運送体制管理簿の整備義務化

②2026年4月施行:物流2法・第2段階(同上)

  • 貨物利用運送事業者にも実運送体制管理簿・書面交付義務が拡大
  • 再委託を2回以内に制限する努力義務(多重下請け構造の是正)
  • 白トラ(無許可事業者)への運送委託に荷主も罰則(100万円以下の罰金)

③2025年6月成立:トラック新法(施行は公布から3年以内・順次)

  • 終身許可制→5年ごとの更新制への移行
  • 適正原価を下回る運賃での契約禁止

既存事業者も影響を受けます。 5年更新制の導入により、許可取得後も継続的な法令遵守・安全管理体制の整備が不可欠です。


許可取得の5つの要件

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

要件① 車両(5台以上)

営業所ごとに事業用自動車を5台以上確保することが必要です。

  • 軽自動車・二輪車は台数に含めることができません
  • 申請時点で所有・リースのいずれでも可
  • 車検証の用途が「貨物」であることが必要

要件② 人的要件(運行管理者・整備管理者・運転者)

運行管理者

  • 営業所ごとに1名以上(車両30台未満は1名)
  • 運行管理者資格者証の保有が必須(国家試験合格または実務経験5年以上)
  • 原則として運転者との兼任は不可。ただし運行管理者が複数選任されており、他の運行管理者または補助者が点呼等の管理業務を担える体制が整っている場合は兼任可能
  • 他の営業所との兼任は不可

整備管理者

  • 営業所ごとに1名以上
  • 3級以上の自動車整備士資格、または2年以上の実務経験+選任前研修の修了
  • 運転者との兼任は可能

運転者

  • 車両台数以上の人数を確保(5台なら5名以上)
  • 使用車両の種類に応じた運転免許を保有
  • 日雇い・2か月以内の期間雇用は不可

最低限必要な人員: 運行管理者1名+運転者5名=最低6名が基本です。ただし運行管理者が複数いる場合は条件付きで兼任可能なため、実態に応じて管轄運輸支局に確認することをおすすめします。

要件③ 施設(営業所・車庫・休憩睡眠施設)

営業所

  • 都市計画法・建築基準法等の関係法令に適合していること
  • 使用権原(所有または賃貸契約)があること

車庫

  • 原則として営業所と同一敷地または近接した場所(関東運輸局管内は原則2km以内)
  • 全車両が収容できる面積を確保
  • 前面道路の幅員が車両制限令に抵触しないこと(道路幅員証明書が必要)
  • 都市計画法等の関係法令に適合していること

休憩・睡眠施設

  • ドライバーが使用できる休憩施設を確保(泊まり運行がある場合は睡眠施設も必要)

要件④ 資金要件(自己資金)

所要資金(事業開始に必要な資金)の100%以上の自己資金が、申請日から許可日まで常時確保されていることが必要です。目安は1,500万〜3,000万円程度ですが、車両数・規模により大きく変動します。

所要資金の主な内訳:

  • 車両費(購入の場合は取得価格、リースの場合は6か月分)
  • 営業所・車庫の取得費または賃料(6か月分)
  • 人件費(6か月分)
  • 燃料油脂費(6か月分)
  • 車両修繕費(6か月分)
  • 保険料
  • 各種税金

重要: 自己資金は申請時と審査中に預金残高証明書で複数回確認されます。審査中に資金が流出していると許可が下りない場合があります。「動かせない資金」として管理してください。

要件⑤ 役員の法令試験への合格

申請受理後に関東運輸局から法令試験の案内が届き、法人の場合は運送事業に専従する常勤の役員が受験します。参考資料持ち込み不可・50問中8割以上の正解が必要です。合格率は30〜40%程度で、2回不合格になると申請が却下されます。

出題範囲:貨物自動車運送事業法・道路運送法・労働基準法・道路交通法 等


申請の流れ

STEP 1:事前準備(1〜2か月)

  • 営業所・車庫の確保と関係法令の適合確認
  • 車両の確保(または確保の見通し)
  • 運行管理者・整備管理者の確保
  • 資金計画の作成・自己資金の確認

STEP 2:申請書類の作成・提出 営業所を管轄する運輸支局(東京都の場合:東京運輸支局)に申請書類を提出します。

主な申請書類:

  • 一般貨物自動車運送事業経営許可申請書
  • 事業計画書
  • 資金計画書(自己資金証明書含む)
  • 営業所・車庫の図面・賃貸借契約書等
  • 運行管理者・整備管理者の資格証明書
  • 車両明細書
  • 役員名簿・履歴書(法人の場合)

STEP 3:法令試験の受験 申請受理後に案内が届きます。常勤役員が受験し、8割以上正解で合格です。事前学習が必須です。

STEP 4:審査(概ね3〜5か月) 関東運輸局で審査が行われます。法令試験は奇数月(1・3・5・7・9・11月)にしか実施されないため、申請タイミングや試験の合否によって期間が変動します。審査中に書類の補正を求められる場合もあります。

STEP 5:許可処分・登録免許税の納付 許可処分の通知後、登録免許税12万円の納付書が届きます。期限内に金融機関で納付します(コンビニでは納付不可)。

STEP 6:許可書交付式 許可取得日から1週間程度で許可書交付式が実施されます(地域により実施されない場合あり)。運行管理者または代表者が出席します。

STEP 7:許可後の手続き 営業開始前に以下の手続きが必要です:

  • 運行管理者・整備管理者の選任届提出
  • 社会保険・労働保険への加入
  • 36協定書の締結・届出
  • 車両の緑ナンバー(事業用ナンバー)への変更
  • 運輸開始前確認報告の提出

STEP 8:営業開始・運輸開始届の提出 営業開始後、速やかに運輸開始届運賃料金設定届を提出します。


かかる費用

費用項目金額の目安
登録免許税12万円
自己資金(資金要件)1,500万〜3,000万円程度
行政書士報酬30万〜60万円程度(事務所・規模による)

許可取得後の主な義務

定期報告義務

  • 事業報告書:毎事業年度終了後100日以内に提出
  • 事業実績報告書:毎年7月10日までに提出

継続的な管理義務

  • 運行管理者の2年に1度の一般講習受講
  • 運転者の適性診断の受診
  • 点呼の実施・記録の保存
  • 運転者の労働時間管理(2024年問題への対応)

変更・廃止時の手続き

  • 営業所・車庫の変更、車両の増減:変更認可申請または届出
  • 事業の廃止:廃止届の提出

倉庫業・引越業との組み合わせ

一般貨物自動車運送事業の許可を持つことで、以下の事業との組み合わせが可能になります。

倉庫業との組み合わせ 倉庫での保管から配送まで一貫したサービスが提供できます。ただし、倉庫業を営む場合は別途倉庫業の登録(国土交通大臣への登録)が必要な場合があります。

引越業との組み合わせ 引越業は一般貨物自動車運送事業の許可の範囲内で行えます。ただし、引越事業者として全日本トラック協会等の標準引越運送約款の適用を受ける場合は別途手続きが必要です。

パソコン回収・IT機器回収業との組み合わせ 自治体や企業からパソコン等の回収業務を受託する場合、一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。また、回収したパソコンをリユース・リサイクル販売する場合は古物商許可、廃棄処分する場合は産業廃棄物収集運搬業許可が別途必要になる場合があります。


書類だけで、本当に大丈夫?フロルはその先のことまで一緒に考えます。

一般貨物自動車運送事業の許可は、許認可の中でも特に要件が厳格で準備期間が長い手続きの一つです。営業所・車庫の適合確認・自己資金の管理・法令試験の対策など、申請前から専門家のサポートが重要です。

フロル行政書士事務所では、許可申請の代行だけでなく、開業前の要件確認から許可後の変更手続きまで一貫してサポートしています。

  • 営業所・車庫の関係法令適合確認
  • 申請書類の作成・運輸支局との折衝代行
  • 法令試験の出題範囲のご案内
  • 資金計画書の作成サポート(FP視点での資金調達相談も対応)
  • 許可後の変更認可申請・届出のサポート
  • 古物商許可・産業廃棄物収集運搬業許可との並行申請相談

「まず要件を確認したい」という段階からお気軽にご相談ください。


まとめ

  1. 有償でトラックを使って他人の荷物を運ぶ事業には一般貨物自動車運送事業の許可が必要。無許可営業は3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  2. 許可の5つの要件は①車両5台以上、②運行管理者・整備管理者・運転者の確保、③営業所・車庫・休憩施設、④自己資金(1,500万〜3,000万円目安)、⑤役員の法令試験合格
  3. 申請から営業開始まで概ね5〜7か月。法令試験(奇数月実施)のタイミングや合否によって変動する。許可後も緑ナンバーへの変更・運輸開始届など手続きが続く
  4. 登録免許税12万円が許可後に必要
  5. 2026年4月から白トラへの荷主罰則が施行済み。2025年6月成立のトラック新法により、将来的に5年ごとの更新制に移行予定
  6. パソコン回収・IT機器回収には一般貨物許可に加えて古物商許可や産廃許可が必要な場合あり

運送業の開業をお考えの方は、まずはお気軽にフロル行政書士事務所へご相談ください。


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免責事項:本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。法令・手続きの内容は変更される場合がありますので、最新情報は関東運輸局または管轄の運輸支局にてご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。


フロル行政書士事務所

所在地:神奈川県横浜市神奈川区(東神奈川駅近く)
対応業務:会社設立・補助金申請・許認可申請・相続遺言
ホームページhttps://flor-office.com
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お問い合わせはホームページまたはお問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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