✏️ この記事の執筆者
フロル行政書士事務所(横浜)
許認可・会社設立・補助金申請・相続のご相談は
🌸 フロル行政書士事務所の公式サイトへ

「うちの麻雀教室、賭け事は一切していないから今のままで大丈夫だと思っていたけれど、最近『MSPO認定』という言葉を耳にするようになった。うちも取っておいた方がいいのだろうか」
「MSPO認定って、そもそも何のための制度?取らないと教室を続けられないの?」
「申請したい気持ちはあるけれど、どんな書類を揃えればいいのか、どこに相談すればいいのかも分からない…」
以前の記事「麻雀店、『なんとなくグレー』では通用しない時代へ」でもお伝えしたとおり、令和8年(2026年)7月の風営法解釈運用基準の改正によって、賭博性を排除した運営を行う麻雀教室・健康麻雀サロンは、風俗営業の許可を受けなくても営業できる整理がなされました。この流れを受けて、自分たちの教室が『賭けない麻雀』を実践していることを客観的に示す手段として、MSPO認定への関心が急速に高まっています。今回は、MSPO認定の実際の申請手順と必要書類について、行政書士の視点から整理してご紹介します。
所長 フロルMSPO認定、最近お問い合わせがぐっと増えているんです!「取った方がいいの?」「何を揃えればいいの?」というお悩み、今日はまるっと整理していきますね。
麻雀は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)上、「まあじゃん屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」として、本来は4号営業(風俗営業)の許可対象とされてきました。しかし令和8年7月の解釈運用基準の改正により、金銭その他の対価の授受を伴わず、賭博性を明確に排除した運営実態が客観的に確認できる施設については、風俗営業の許可を要しないという整理がなされました。
この「賭博性を排除した実態」を、教室側が自主的に、かつ第三者の目線で示すための仕組みとして位置づけられているのが、業界団体等が運営するMSPO認定です。会員や保護者、取引先、そして所轄警察署の生活安全課に対して、「うちの教室は現金・点棒の授受を行わない、健全な運営をしている」ことを示す材料として活用されています。
ここで最も注意していただきたいのは、MSPO認定は民間団体による認定制度であり、公安委員会が交付する風俗営業許可そのものではないという点です。MSPO認定を取得したからといって、風営法上の義務が自動的に免除されるわけではありません。あくまで「賭博性を排除した運営を行っている」ことを示す補助的な資料であり、最終的に風営法の適用対象になるかどうかは、実際の営業実態に基づいて所轄の公安委員会・警察署が判断します。認定取得後も現金や有価物のやり取りが発覚すれば、風営法違反として摘発されるリスクは残る、という前提を必ず押さえておきましょう。
MSPO認定の対象となるかどうかは、運営実態によって異なります。代表的なパターンを整理すると、次のとおりです。
| 施設の種類 | MSPO認定の対象になりやすいか | 備考 |
|---|---|---|
| 健康麻雀サロン・シニア向け教室 | 対象になりやすい | 会費制・現金授受なしの運営が前提 |
| 子ども向け麻雀教室 | 対象になりやすい | 18歳未満の受け入れには特に運営実態の明確化が重要 |
| フリー雀荘から賭けない運営に切り替えた店舗 | 要検討 | 過去の営業実態や店舗の造りによって審査で慎重に見られる場合がある |
| レートを設定した従来型の雀荘 | 対象外 | 風俗営業許可(4号営業)の取得が必要 |
MSPO認定の申請は、おおむね次のようなステップで進みます。
まずは認定団体への事前相談を行い、自分たちの教室の運営形態が認定の対象になり得るかを確認します。あわせて、所轄警察署の生活安全課にも事前に運営実態を説明しておくと、後の手続きがスムーズです。
「現金・点棒その他の有価物の授受を一切行わない」ことなどを明記した運営規則、および代表者・講師全員分の誓約書を整備します。ここが実は最も時間のかかる工程です。
後述する必要書類を過不足なく揃えます。書類間で店舗名・所在地・責任者名などの記載が食い違っていると、審査に差し戻される原因になります。
整えた書類一式を認定団体に提出します。
書類の内容を基に審査が行われます。教室の規模や運営形態によっては、現地確認(実地調査)が行われる場合もあります。
審査を通過すると認定証が交付されます。店内の見やすい場所に掲示し、利用者や保護者に対して健全な運営を行っていることを周知します。
認定団体や教室の形態によって多少の差はありますが、一般的に求められる書類は次のとおりです。
| 書類名 | 内容・ポイント |
|---|---|
| MSPO認定申請書 | 教室名・所在地・運営形態・責任者情報などを記載 |
| 運営規則(賭博性排除に関する規程) | 現金・点棒等の授受禁止を明記した規程 |
| 店舗(教室)平面図 | 座席配置や卓数が分かるもの |
| 料金表・会費規程 | レッスン料・会費のみで、勝敗に応じた金銭のやり取りがないことを示す |
| 運営責任者・講師名簿 | 本人確認書類の写しを添付するケースが多い |
| 誓約書 | 代表者・スタッフ全員分。賭博行為を行わせない旨を誓約 |
| 法人の登記事項証明書 | 法人として運営している場合。発行後3か月以内など期限指定がある場合がある |
| 広告物・チラシ・ウェブサイトの写し | 誇大な表現や賭博性を想起させる表現がないかの確認資料として |
都内で健康麻雀サロンを運営されているオーナー様から、「子ども向けの教室も新しく始めたいので、MSPO認定を取得したいのですが、運営規則の書き方が分からなくて…」というご相談をいただいたことがあります。現在の運営実態を丁寧にヒアリングした上で、賭博性を排除していることを明確に示す規程文言を整理し、申請書類一式を一緒に準備したことで、書類の不備による差し戻しもなくスムーズに申請へと進めることができました。
MSPO認定は、令和8年7月の風営法解釈運用基準の改正を背景に、麻雀教室が「賭博性を排除した健全な運営」を客観的に示すための仕組みです。ただし、あくまで民間団体による認定であり、風俗営業許可そのものではないため、認定を取得した後も実態が伴わなければ風営法上のリスクは残るという点は忘れないでください。申請にあたっては、運営規則や誓約書といった書類の整備に時間がかかることが多いため、早めの準備と、所轄警察署への事前相談をおすすめします。
本記事は令和8年(2026年)9月時点で公表されている情報をもとに作成しています。MSPO認定の具体的な審査基準・必要書類・様式は、認定を行う団体や店舗の運営形態によって異なる場合がありますので、実際の申請にあたっては各認定団体および所轄警察署生活安全課に最新情報をご確認ください。また、本記事はMSPO認定と風営法の一般的な関係を説明するものであり、個別の店舗が風営法の適用対象となるか否かを保証するものではありません。運営実態の判断は所轄の公安委員会・警察署に委ねられますので、不安がある場合は事前相談を行うことを強くおすすめします。

