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フロル行政書士事務所(横浜)
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「独立して軽バン1台で配送の仕事を始めたい。でも、許可とか必要なの?」
「黒ナンバーって、どこで、どうやってもらうもの?」
「委託元から『黒ナンバーを取ってから来てください』と言われたけど、何から手をつければいいのか分からない…」
ネット通販の広がりとともに、軽貨物ドライバーとして独立する方が増えています。一方で、「届出」「黒ナンバー」「運賃料金表」「安全管理者」など、聞き慣れない言葉が次々に出てきて、最初の一歩で止まってしまう方も少なくありません。
所長 フロル「軽貨物は許可じゃなくて届出だから簡単!」と聞いて走り出したら、車庫の契約書がなくて足止め…なんてこともよくあります(笑)。順番を知っておけば、遠回りせずにすみますよ!
軽自動車(軽バン・軽トラックなど)や125ccを超える二輪車を使って、他人から頼まれた荷物を運び、運賃を受け取る事業を、法律上は「貨物軽自動車運送事業」といいます(貨物自動車運送事業法)。
普通トラックで運送する「一般貨物自動車運送事業」は国土交通大臣(地方運輸局長)の許可が必要で、車両5台以上・運行管理者の選任・一定額以上の資金確保など、ハードルが高い事業です。これに対して軽貨物運送業は、運輸支局への「届出」で始めることができ、車両1台から開業できます。
| 項目 | 貨物軽自動車運送事業(軽貨物) | 一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー) |
|---|---|---|
| 手続きの種類 | 届出 | 許可 |
| 使用する車両 | 軽自動車・125cc超の二輪車 | 普通・小型・大型のトラック等 |
| 必要な車両数 | 1台から | 原則5台以上 |
| ナンバープレート | 黒地に黄色文字(黒ナンバー)※四輪の場合 | 緑地に白文字(緑ナンバー) |
| 手続き先 | 営業所を管轄する運輸支局 | 地方運輸局(申請窓口は運輸支局) |
| 審査期間の目安 | 書類に不備がなければ比較的短期間 | 標準処理期間3〜5か月程度 |
💡 ポイント:「自分の荷物を自分で運ぶ」だけなら届出は不要です。届出が必要になるのは、他人の荷物を、有償で(運賃をもらって)運ぶ場合です。ネットショップの店主が自社商品を自家用車で配達するようなケースは、原則として対象外です。
黒ナンバーとは、事業用の軽自動車に付ける、黒地に黄色文字のナンバープレートのことです。自家用の軽自動車は黄色地(または白地)のナンバーですが、軽貨物運送事業に使う車両は、届出を済ませたうえで事業用のナンバーに切り替える必要があります。
⚠️ 届出をせず、自家用ナンバーのまま有償で荷物を運ぶ行為は、無届営業として貨物自動車運送事業法違反(罰則の対象)になります。また、自家用の任意保険は事業での使用を想定していないため、事故の際に補償を受けられないおそれもあります。「最初の数件だけ」「知り合いに頼まれただけ」という気軽な気持ちが、大きなリスクにつながりかねません。
以前は、軽貨物運送業に使えるのは原則として貨物用の軽自動車(いわゆる4ナンバー)でしたが、令和元年10月から、一定の条件のもとで軽乗用車(5ナンバー)も事業に使用できるようになりました。ただし、積載できる荷物の量や車両の構造には制限がありますので、手持ちの車を使う場合は事前に確認しておきましょう。
軽貨物運送業の届出は「出せば終わり」ではなく、届出書の中で営業所・車庫・車両などについて具体的に記載する必要があります。事前に以下の3点を固めておくと、手続きがスムーズです。
事業の拠点となる場所です。自宅を営業所とする個人事業主の方も多くいらっしゃいます。都市計画法・建築基準法・農地法などの法令に抵触しない場所である必要があり、賃貸物件の場合は、事業用として使用することについて貸主の了承を得ておくと安心です。
車庫は、原則として営業所に併設されていることが求められます。併設できない場合は、運輸局が定める距離の範囲内(関東運輸局管内では営業所から直線距離で2km以内が目安)に確保する必要があります。また、車両全体を収容できる広さがあること、他の用途と明確に区分されていること、そして使用する権原(所有している、または賃貸借契約を結んでいる)があることが前提です。
⚠️ 月極駐車場を借りる場合は、契約者名義が届出者本人であることを確認しておきましょう。家族名義の契約のままだと、使用権原の説明を求められることがあります。
事業に使う車両(車検証の内容)と、荷主から受け取る運賃・料金を決めておきます。運賃料金は、距離制・時間制などの体系で設定し、「運賃料金設定届出書」として届け出ます。運輸支局が示している標準的な様式やモデルを参考に作成するのが一般的です。
軽貨物運送業では、近年、事故の増加が問題となっていたことから、令和7年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法により、安全対策が強化されました。これから開業する方は、次の義務を前提に準備を進める必要があります。
| 義務の内容 | 概要 |
|---|---|
| 貨物軽自動車安全管理者の選任・届出 | 営業所ごとに安全管理者を選任し、運輸支局へ届け出る。選任する人は、所定の講習(貨物軽自動車安全管理者講習)を修了していることが必要。選任後も2年ごとに定期講習を受講 |
| 業務記録の作成・保存 | 運転者ごとに、乗務の開始・終了の日時や場所、主な経過地点などを記録し、1年間保存 |
| 事故記録の作成・保存 | 事故が発生した場合に、その内容・原因・再発防止策などを記録し、3年間保存 |
| 国土交通大臣への事故報告 | 死傷者が生じた事故など、一定の重大な事故が起きた場合に報告 |
| 運転者への指導・適性診断 | 初めて事業用の軽自動車に乗る運転者(初任運転者)や高齢運転者に対し、特別な指導や適性診断を受けさせる |
💡 個人事業主として一人で開業する場合でも、安全管理者の選任は必要です。多くの場合、事業主ご本人が講習を受けて安全管理者になります。講習は予約制で日程が限られることもあるため、開業を決めたら早めに受講の予約を入れるのが、スケジュールを狂わせないコツです。
なお、令和7年3月31日以前から事業を営んでいる事業者には、安全管理者講習の受講について経過措置(令和9年3月31日まで)が設けられています。
ここからは、届出から黒ナンバー取得までの一般的な流れをご紹介します。細かな運用は運輸支局によって異なることがありますので、管轄の運輸支局にも確認しながら進めてください。
前述の要件を満たす営業所と車庫を確保し、事業に使う車両を用意します。新車・中古車を購入する場合は、販売店に「黒ナンバーで登録する予定」と伝えておくと、手続きの段取りを合わせてもらえることがあります。
安全管理者として選任する人が、所定の講習を受講・修了します。修了を証する書面は届出の際に必要となるため、大切に保管しておきましょう。
主に以下の書類を作成します。
⚠️ 運輸支局によっては、車庫の使用権原を示す書類(賃貸借契約書の写しなど)や、営業所・車庫の位置図の提出・提示を求められることがあります。事前に管轄の運輸支局のホームページや窓口で、必要書類を確認しておくことをおすすめします。
営業所を管轄する運輸支局の輸送担当窓口へ届け出ます。届出そのものに手数料はかかりません。書類に不備がなければ受理され、確認印が押された「事業用自動車等連絡書」が交付されます。
交付された事業用自動車等連絡書と車検証などを持って、軽自動車検査協会で、自家用から事業用への変更手続きを行います。手続きが終わると、黒ナンバーが交付されます(ナンバープレート代として実費がかかります)。
黒ナンバーを取り付けたら、任意保険を事業用の契約に切り替えることを忘れずに。これでようやく営業開始です。開業後は、業務記録の作成・保存など、日々の義務が始まります。
会社員から独立し、軽貨物ドライバーとして委託契約を結ぶ予定だったAさん。委託元から「来月1日から稼働を」と言われ、月末に慌てて運輸支局へ。ところが、安全管理者講習をまだ受講しておらず、講習の空きも数週間先までなし。結局、稼働開始を1か月近く延期することになってしまいました。
自宅を営業所にして開業しようとしたBさん。車庫として使う予定だったのは、自宅から少し離れた親名義の月極駐車場。届出の準備段階で使用権原の確認が必要と分かり、駐車場の契約名義を変更するところからやり直すことになりました。
いずれも、「届出だから当日行けば何とかなる」と考えてしまったことが原因です。届出制とはいえ、事前の準備がスケジュールを大きく左右します。
軽貨物運送業は、「許可」ではなく「届出」で、車両1台から始められる、独立しやすい事業です。ただし、黒ナンバーを取得して営業を始めるまでには、次のような準備と手順が欠かせません。
「届出なんて簡単でしょ」と油断すると、講習の予約や車庫の契約で思わぬ足止めをくらうのが軽貨物の“あるある”です(笑)。稼働開始日から逆算して、余裕をもって準備を進めましょう。書類の作成や運輸支局とのやり取りに不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください!
本記事の内容は、投稿時点(令和8年10月)の情報に基づいて作成しています。法令や運輸支局の運用は改正・変更されることがあり、必要書類や手続きの細部は管轄によって異なる場合があります。実際の手続きにあたっては、最新の法令・管轄の運輸支局の案内をご確認いただくか、専門家にご相談ください。本記事の内容に基づいて生じた損害について、当事務所は責任を負いかねますのでご了承ください。

