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フロル行政書士事務所(横浜)
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「会社を作るなら、最低でも従業員を1人くらいは雇わないといけないですよね?」
「一人で起業するのは不安です。やっぱり『法人』と名乗るなら、ある程度の規模がないと恥ずかしいのでは…」
「周りの経営者は従業員を何人も雇っているのに、自分はずっと一人でやっている。これって普通じゃないのかな…」
起業や会社設立のご相談を受けていると、こうした「会社=ある程度の人数がいて当たり前」という思い込みに、しばしば出会います。しかし実際のデータを見ると、その前提自体が今の実態とズレていることが分かります。
所長 フロル実は今、日本で新しく作られる会社の6割くらいが、従業員0〜4人の「ほぼ一人社長」なんですよ。意外と知られていないですよね(笑)。今日はこのあたりのデータと、一人社長だからこそ気をつけたいポイントを一緒に見ていきましょう!
中小企業庁の「中小企業実態基本調査」等をもとにした集計によると、2024年の新設法人数は約15.4万社にのぼります。そしてそのうち、約60%が従業員0〜4人という非常に小規模な体制で運営されているというデータがあります。
つまり、今新しく会社を作っている人の半数以上は、社長一人、あるいは社長+数名という体制でスタートしているということです。「会社を作る=従業員を雇う」という方程式は、もはや前提として成り立っていません。
| 従業員規模 | 新設法人に占める割合(目安) |
|---|---|
| 0〜4人(ほぼ一人社長) | 約60% |
| 5人以上 | 約40% |
※2024年の新設法人数(約15.4万社)をもとにした目安の数値です。
この「小規模法人化」の背景には、生成AIの活用拡大があると考えられています。MatrixFlowの調査によれば、中小企業の生成AI利用率は2023年の23%から急増し、58%に達しているとされています。
以前であれば、経理・マーケティング・開発・デザインといった業務は、それぞれ専門のスタッフを雇って分担するのが当たり前でした。しかし今は、生成AIを使うことで、こうした業務の多くを社長一人でこなせるようになってきています。
こうした環境の変化が、「人を雇わなくても事業を立ち上げられる」状況を後押ししていると言えるでしょう。
この傾向は日本だけのものではありません。米国でも、従業員を雇わない「非雇用企業」が2,980万社に達し、全米企業の84%が従業員ゼロで運営されているというデータがあります(1997年の76%から上昇)。一人社長・小規模法人というスタイルは、世界的に見ても起業の主流の一つになりつつあるようです。
ここで一つ、注意しておきたいポイントがあります。「新しく作られる会社が小規模化している」ことと、「既存の中小企業全体の数が減っている」ことは、まったく別の現象です。
中小企業全体の数は、2021年6月時点で336万者となっており、2016年比で1年あたり4.3万者ずつ減少しているというデータがあります。これは、廃業や統合によって既存の中小企業が減少している、という話です。
「新設法人の小規模化(一人社長の増加)」と「中小企業全体数の減少」は、別の文脈のデータとして整理しておく必要があります。前者は起業スタイルの変化、後者は事業承継や廃業を含む市場全体の動きを表しています。
一人社長・小規模法人というスタイルが主流になっているとはいえ、人数が少ないからこそ気をつけたいポイントもあります。設立前に、以下のような点を見据えておくことをおすすめします。
法人を設立すると、社長一人であっても、原則として会社は社会保険(健康保険・厚生年金保険)の強制適用事業所となります。個人事業主の時は加入義務がなかった方でも、法人化後は社長自身が社会保険の加入対象になる点には注意が必要です。保険料の負担や具体的な手続きについては、社会保険労務士等の専門家に確認することをおすすめします。
一人社長の体制は、裏を返せば「社長が動けなくなったら事業が止まってしまう」というリスクを抱えています。病気やケガ、急な不在時に、取引先対応や請求書発行といった最低限の業務が止まらないよう、外部の専門家やツールとの連携体制をあらかじめ考えておくと安心です。
契約書の保管場所、許認可の更新期限、顧客情報の管理方法などが社長の頭の中だけにある状態は、思わぬトラブルの火種になります。設立当初から、クラウドでの書類管理や、顧問の行政書士・税理士との情報共有を仕組み化しておくと、後々の負担が大きく減ります。
「フリーランスでWebデザインをしていましたが、生成AIで資料作成や簡単なコーディングまでこなせるようになったので、思い切って一人社長の会社を設立しました。従業員を雇う予定はありませんが、社会保険の扱いや許認可の管理は自分では判断しきれず、設立のタイミングで専門家に相談しておいて良かったです」(30代・ITフリーランスから法人化した方の声)
従業員を雇わない一人社長であっても、会社形態(株式会社か合同会社か)や資本金額の決め方、定款の内容などは、その後の事業運営に大きく影響します。「どうせ一人だから」と設計を簡略化しすぎず、将来の展望も踏まえて設立時にきちんと検討しておくことが、長く安定して事業を続けるためのポイントです。
日本で新しく作られる会社の約6割は、従業員0〜4人の「ほぼ一人社長」という小規模な体制です。生成AIの活用拡大を背景に、経理・マーケティング・デザインといった業務を一人でこなせる環境が整ってきたことが、その後押しとなっています。この流れは米国など海外でも共通して見られる傾向です。
一方で、「中小企業全体の数が減っている」というデータは、これとは別の文脈の話であり、混同しないよう整理しておく必要があります。一人社長・小規模法人というスタイルは、もはや特別なものではなく、立派な起業の選択肢の一つです。ただし、社会保険の扱いや事業の継続性、業務の属人化リスクといった、一人だからこそ気をつけたい点もあります。設立前にこうしたポイントを見据えて準備しておくことで、一人であっても安定した事業運営につなげることができます。
本記事の内容は、投稿時点(令和8年10月)の情報に基づいて作成しています。制度や統計データは今後変更される可能性がありますので、最新の情報は中小企業庁等の公式発表をご確認ください。また、社会保険に関する具体的な手続きや適用関係については社会保険労務士の専門分野となりますので、必要に応じて社会保険労務士にご確認ください。

