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フロル行政書士事務所(横浜)
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「そろそろ法人化した方がいいのかな、でも今のままの個人事業でも十分な気がする…」
「周りは『会社を作った方が得だよ』って言うけど、具体的に何がどう得なのか、正直よく分かっていない」
「社会保険とか税金とか、調べれば調べるほど情報がバラバラで、結局自分の場合はどうなのか分からない」
一人で事業をされている方から、こうしたご相談を本当によく受けます。特に売上が安定してきたタイミングで「そろそろ会社にすべきか」という悩みは、多くの個人事業主の方が一度は通る道ではないでしょうか。
所長 フロルその気持ち、すごく分かります…!私も「なんとなく法人の方がカッコいい」で判断しそうになった過去があります(笑)。でも会社設立は勢いで決めると後悔しやすいポイントでもあるので、今日は税金・社会保険・費用の3つの軸で、一人社長のケースを整理してみますね。
個人事業主は、事業の主体が「あなた個人」です。事業で得た利益はそのまま個人の所得となり、確定申告で所得税を納めます。一方、法人(株式会社・合同会社)を設立すると、事業の主体は「法人(会社)」という別人格になります。あなたはその会社の代表者であり、会社から受け取る役員報酬が個人の給与所得となる、という構造の違いが生まれます。
この「主体が別人格になる」という違いが、税金・社会保険・信用力など、あらゆる面での差につながっていきます。
個人事業の所得税は、所得が増えるほど税率が上がる累進課税(5%〜45%)です。一方、法人税は所得800万円以下の部分は約15%、800万円超の部分は約23.2%(中小法人の場合の目安)とほぼ一定です。つまり、所得が大きくなるほど法人の方が税負担を抑えやすくなる傾向があります。
| 項目 | 個人事業主 | 法人(一人社長) |
|---|---|---|
| 税率の仕組み | 累進課税(5〜45%) | 比例的(概ね15〜23.2%) |
| 赤字の繰越 | 青色申告で3年 | 青色申告で10年 |
| 経費にできる範囲 | 事業関連費用のみ | 役員報酬・退職金・生命保険料の一部なども可 |
| 消費税の免税期間 | 要件を満たせば最大2年 | 資本金1,000万円未満等の要件で最大2年 |
ただし、法人化すると自分自身への役員報酬に対して給与所得控除が使える一方、法人税とは別に個人の所得税・住民税も発生するため、単純に「法人の方が常に得」とは言い切れません。この点は後述する所得の目安と合わせて考える必要があります。
見落とされがちですが、非常に重要なのが社会保険の扱いです。
個人事業主は原則として国民健康保険・国民年金に加入します。一方、法人を設立して役員報酬を受け取る場合、たとえ従業員が一人もいない「一人社長」であっても、健康保険・厚生年金への加入が法律上の義務となります。
厚生年金は将来の受給額が国民年金より手厚くなるというメリットがある一方、保険料は会社と個人が折半して負担するため、個人事業のときより毎月の負担額が増えるケースが多い点は事前に押さえておく必要があります。
実際にご相談いただいたケースでは、「法人化すれば節税できると聞いたので」と会社を設立したものの、社会保険料の負担増を試算していなかったために、結果として手元に残るお金があまり変わらなかった、という声もありました。税金だけでなく社会保険料まで含めたトータルで比較することが大切です。
なお、社会保険の加入手続き自体(届出書の作成・提出代行など)は社会保険労務士の専門分野であり、行政書士が代理で行うことはできません。会社設立の登記・定款作成などのご支援と合わせて、必要に応じて社会保険労務士や税理士と連携してサポートすることになります。
| 項目 | 個人事業主 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|---|
| 開業・設立費用 | 0円(開業届のみ) | 約20万〜24万円 | 約6万〜10万円 |
| 決算・申告の手間 | 確定申告のみ | 決算書作成・法人税申告等が必要 | 同左 |
| 赤字でも発生する税金 | 基本的になし | 法人住民税の均等割(年7万円程度〜) | 同左 |
法人は赤字であっても法人住民税の均等割が発生し、決算・申告の事務負担も個人事業より重くなるため、多くの場合税理士への依頼が必要になります。こうした固定的なコストが発生することも、判断材料として忘れてはいけません。
一般的には、事業所得(経費を引いた後の利益)がおおむね500万円〜800万円程度を継続的に超えてくるあたりから、法人化によって税負担・社会保険料まで含めたトータルで有利になりやすいと言われています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、家族構成、扶養の有無、事業の将来性、資金調達の必要性などによって最適なラインは変わります。
また、税金・社会保険料以外にも、法人化には次のようなメリットがあります。
逆に、売上や利益がまだ不安定な時期に法人化すると、赤字でも発生する固定費(均等割・社会保険料・税理士費用など)が負担になることもあります。「今の利益水準」と「今後の見通し」の両方から判断することが重要です。
実際に法人化を決めた場合、一人社長でも次のようなステップで手続きを進めます。
商号(社名)、事業目的、本店所在地、資本金額、役員構成(一人社長であれば自分が代表取締役または代表社員)などを決定します。
定款を作成し、株式会社の場合は公証役場で認証を受けます。合同会社の場合は認証手続きが不要なため、その分コストと時間を抑えられます。
発起人(自分)名義の口座に資本金を払い込み、払込証明書類を準備します。
法務局に設立登記を申請します。登記が完了すると、法人としての活動が正式にスタートします。
設立後は、税務署への法人設立届出、都道府県・市町村への届出、年金事務所への社会保険加入手続きなど、複数の届出が必要になります。
個人事業と法人(会社設立)は、どちらが絶対に得ということはなく、所得水準・社会保険料の負担・信用力へのニーズ・事務コストを総合的に見て判断すべきものです。目安として所得500万〜800万円程度がひとつのラインとされますが、最終的には個々の状況に応じたシミュレーションが欠かせません。「そろそろかな」と感じたタイミングこそ、専門家に一度相談してみることをおすすめします。
会社設立・許認可・補助金を行政書士にまとめて依頼するメリットとは?
本記事の内容は、投稿日(令和8年9月)時点の情報に基づいて作成しています。税制や社会保険制度は改正されることがあるため、実際の手続きにあたっては最新の情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。また、社会保険の加入手続きや保険料に関する具体的な代理業務は社会保険労務士の独占業務であり、行政書士の業務範囲外です。当事務所では、会社設立に関する定款作成・登記書類の準備支援等を中心に承っており、社会保険手続きが必要な場合は社会保険労務士と連携してご案内いたします。

