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フロル行政書士事務所(横浜)
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「500万円未満の小さな解体工事なら建設業許可はいらないので、何の手続きもしなくていいんですよね?」
「建設業許可は持っているから、解体工事も当然できると思っていた…」
「隣の県の現場で解体を頼まれたけど、うちの登録をそのまま使えるの?」
解体工事をしている事業者さんから、こうしたご質問をよくいただきます。解体工事には、建設業法の「建設業許可」とは別に、建設リサイクル法にもとづく「解体工事業の登録」という制度があります。この2つの関係を知らないままだと、気づかないうちに無登録営業になっていたということも起こります。
所長 フロル「許可がいらない=何の手続きもいらない」と思い込んでしまうのは、解体工事の“あるある”なんです(笑)。登録と許可の違いを、一緒に整理していきましょう!
解体工事業の登録は、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(通称:建設リサイクル法)第21条で定められた制度です。解体工事業を営もうとする者は、工事をする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならないとされています。
この制度ができたのは、建設業許可が不要な小さな解体工事でも、分別解体(建材を種類ごとに分けて取り壊すこと)や廃棄物の適正処理をきちんと行ってもらうためです。いわば、建設業許可の対象にならない「すき間」を埋めるための制度です。
建設業法では、次の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合、建設業許可は不要とされています。
解体工事は建築一式工事ではなく、29業種のうちの1つである「解体工事業」にあたります。そのため、500万円未満の解体工事を建設業許可なしで請け負う場合に、解体工事業の登録が必要になるというのが基本の考え方です。
⚠️ なお、請負代金には注文者から支給された材料の価格や運搬費も含めて判断します。また、1つの工事を契約書だけ分けて500万円未満にしても、正当な理由がなければ合算して判断されます。「契約を分ければ大丈夫」は通用しないので注意しましょう。
「登録」と「許可」は名前が似ていますが、根拠となる法律から有効な範囲まで、まったく別の制度です。主な違いを表にまとめました。
| 項目 | 解体工事業の登録 | 建設業許可(解体工事業) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 建設リサイクル法 | 建設業法 |
| 請け負える工事 | 1件500万円未満(税込)の解体工事 | 金額の上限なし |
| 申請先 | 工事をする区域の都道府県知事 | 営業所の所在地に応じて都道府県知事または国土交通大臣 |
| 有効な地域 | 登録した都道府県内だけ | 全国(知事許可でも他県で施工可能) |
| 技術者 | 技術管理者の選任 | 営業所技術者(旧:専任技術者)の配置 |
| 経営面の要件 | 原則なし | 経営業務の管理体制・財産的基礎(一般建設業なら自己資本500万円以上など)が必要 |
| 有効期間 | 5年 | 5年 |
| 申請手数料の目安 | 新規33,000円程度(都道府県により異なる) | 知事許可の新規で9万円 |
いちばん間違えやすいのがここです。建設業許可は「営業所がどこにあるか」で知事許可か大臣許可かが決まり、知事許可でも全国どこでも工事ができます。
一方、解体工事業の登録は「工事をする区域」を管轄する都道府県ごとに受ける必要があります。たとえば神奈川県で登録した業者が東京都で解体工事をするなら、東京都の登録も別に必要です。営業所が神奈川県にしかなくても、それは変わりません。
建設リサイクル法では、次のいずれかの建設業許可を受けている事業者は、解体工事業の登録が不要とされています。
これらの許可を持っていれば、500万円未満の解体工事は登録なしで請け負えます。ただし、ここにも落とし穴があります。
以前は、解体工事は「とび・土工工事業」に含まれていました。しかし平成28年6月1日の建設業法改正で「解体工事業」が独立した業種になり、経過措置も令和元年5月31日で終わっています。
そのため現在は、とび・土工工事業の許可しか持っていない事業者が500万円未満の解体工事を請け負うには、解体工事業の登録が必要です(500万円以上なら解体工事業の許可が必要です)。昔からとび・土工の許可で解体をしてきた会社は、一度確認しておくと安心です。
建築工事業(建築一式工事)の許可があれば、登録は不要です。ただし、それで請け負えるのは「500万円未満の解体工事」または「建物を建てる工事の一部としての解体」です。500万円以上の解体工事だけを単独で請け負うには、解体工事業の許可が別に必要です。「一式の許可があるから何でもできる」というわけではありません。
ここまでの内容を、よくあるケースに当てはめて整理しました。
| 場面 | 必要な手続き |
|---|---|
| 許可なし。300万円の木造家屋の解体を請け負う | 工事をする都道府県での解体工事業の登録 |
| 許可なし。800万円の解体工事を請け負う | 建設業許可(解体工事業) |
| とび・土工の許可のみ。200万円の解体工事 | 解体工事業の登録 |
| 建築工事業の許可あり。400万円の解体工事 | 登録不要 |
| 建築工事業の許可あり。600万円の解体工事のみ | 建設業許可(解体工事業)の追加 |
| 神奈川県で登録済み。東京都で250万円の解体工事 | 東京都での登録が別に必要 |
実際にあったご相談を2つ紹介します。
【事例1】内装リフォーム会社のA社は、店舗の原状回復工事(内装の撤去)を中心に、1件100万〜300万円ほどの工事を続けていました。「500万円未満だから手続きは不要」と考えていましたが、元請会社の取引審査で「解体工事業の登録番号を教えてください」と聞かれて、初めて登録が必要だと分かりました。建物の一部を取り壊す工事も解体工事にあたることがあるため、急いで技術管理者の要件を確認して登録申請を行いました。
【事例2】横浜市のB社は神奈川県で解体工事業の登録をしていました。東京都町田市の空き家解体(約350万円)の依頼を受けた際、「同じ会社だから大丈夫だろう」と考えかけましたが、着工前に相談があり、東京都での登録が必要と分かりました。工事開始に間に合うよう、東京都への登録申請を進めることになりました。
建設業許可にくらべるとハードルは低めですが、次の要件を満たす必要があります。
技術管理者とは、解体工事の現場で施工の技術上の管理をする人のことです。主に次のような資格や実務経験が必要です。
💡 資格がなくても実務経験で要件を満たせるのが、建設業許可との違いのひとつです。ただし、実務経験は工事の契約書や注文書などで証明する必要があります。日ごろから書類を保管しておくことが大切です。
登録を取り消されてから2年を経過していない、建設リサイクル法違反などで罰金刑を受けて2年を経過していない、暴力団員等に該当する、といった場合は登録を受けられません。法人の場合は役員全員が対象です。
今後、解体工事をする予定のある都道府県を洗い出します。複数の都道府県で工事をするなら、それぞれに申請が必要です。
資格者証のコピー、または実務経験を証明する書類(契約書・注文書・請求書など)を準備します。
登録申請書、誓約書、技術管理者の要件を証明する書類、住民票や登記事項証明書などを用意します。書式や添付書類は都道府県ごとに少しずつ違うため、申請先の手引きを必ず確認しましょう。
都道府県の窓口などに申請し、手数料を納めます。新規申請の手数料は33,000円程度とする都道府県が多くなっています。
審査が終わると登録通知が届きます。登録が完了するまでは工事を請け負えないので、着工日から逆算して早めに申請しましょう。
登録したら終わり、ではありません。登録業者には次のような義務があります。
登録を受けずに解体工事業を営んだ場合、建設リサイクル法により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。さらに、罰金刑を受けると欠格要件にあたり、その後2年間は解体工事業の登録を受けられなくなります。「知らなかった」では済まないので、少しでも心当たりがあれば早めに確認しましょう。
解体工事では、登録や許可のほかにも、次のような手続きが関わってきます。
| 手続き | 概要 |
|---|---|
| 建設リサイクル法の届出 | 床面積の合計80㎡以上の建築物の解体などは、発注者が工事着手の7日前までに都道府県知事等へ届け出ます(受注者は分別解体の計画などを説明します)。 |
| 石綿(アスベスト)の事前調査 | 解体・改修工事の前に石綿の有無を調べることが義務付けられています。一定規模以上の工事では、調査結果の報告も必要です。 |
| 産業廃棄物の収集運搬業許可 | 解体で出た廃棄物は、原則として元請業者が排出事業者になります。下請業者が廃棄物を運ぶ場合は、収集運搬業の許可が必要です。 |
💡 解体工事は「登録・許可」「届出」「廃棄物」の3つをセットで考えると、抜け漏れを防ぎやすくなります。
解体工事業の登録について、ポイントを振り返ります。
「うちは小さい工事しかしないから」と思っていた方ほど、実は登録が必要だったというケースが多いんです(笑)。事業が大きくなってきたら、建設業許可への切り替えも視野に入れておきましょう。どちらが必要か迷ったら、お気軽にご相談くださいね。
本記事の内容は、投稿時点(令和8年10月)の情報に基づいて作成しています。法令の改正や運用の変更により、内容が変わる場合があります。申請書類・手数料・更新期限などの細かな取扱いは都道府県ごとに異なることがありますので、実際の手続きでは申請先の最新の手引きをご確認いただくか、専門家にご相談ください。

