産廃の許可を持つのは約11.8万事業者なのに、許可件数は約23.5万件。なぜ数字が倍になるのか

産業廃棄物処理業の許可証を手に、事業者数と許可件数の違いに首をかしげるフロル行政書士事務所のマスコットキャラクター

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フロル行政書士事務所(横浜)
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「うちは産廃の収集運搬業の許可を持っているから、全国どこでも運べるはず…」

「産廃の許可件数は約23万件もあるらしいけど、それって業者の数のこと?」

「許可の『数』と『件数』、同じ意味だと思っていた…」

産業廃棄物の処理業者を探しているときや、自社で許可を取ろうと検討しているときに、こうした数字にまつわる疑問にぶつかったことはないでしょうか。実は、「産廃の許可を持つ事業者の数」と「許可の件数」は、まったく別の数字です。今回は、この数字のからくりを、環境省や産業廃棄物処理事業振興財団の統計をもとに解説します。

所長 フロル

事業者数と許可件数、実はほぼ2倍の差があるんです。なぜそんなことになるのか、一緒に見ていきましょう!

産廃の許可、「事業者数」と「許可件数」はこんなに違う

環境省の産業廃棄物処理業者情報検索システムの統計(産業廃棄物処理事業振興財団が集計、令和7年7月31日時点)によると、産業廃棄物処理業(収集運搬業と処分業の両方を含む)の許可を持つ事業者数(固有番号数)は117,662者です。一方で、許可件数は234,936件にのぼります。

特別管理産業廃棄物処理業を含めた合計では、事業者数117,895者に対し、許可件数は257,854件となっています。

区分事業者数許可件数
産業廃棄物処理業(収集運搬業・処分業)117,662者234,936件
特別管理産業廃棄物処理業を含めた合計117,895者257,854件

(令和7年7月31日時点)

許可件数を事業者数で割ると、234,936÷117,662で約2.0倍です。単純計算では、1つの事業者が平均して約2件の許可を持っていることになります。「事業者数」と「許可件数」は、同じものを指す数字ではないという点が、まず押さえておきたいポイントです。

なぜ許可件数は事業者数の約2倍になるのか

産業廃棄物の収集運搬業の許可は、廃棄物を積み込む場所と、降ろす場所、それぞれを管轄する自治体の許可が必要になります。そのため、1つの事業者が、複数の自治体で許可を受けることがあり、この積み重ねによって許可件数が事業者数を上回っていきます。

また、収集運搬業と処分業、特別管理産業廃棄物の許可を、それぞれ別に数えることも、件数が多くなる理由の一つです。つまり、「1事業者=1許可」ではなく、「1事業者=複数の許可の束」というイメージの方が、実態に近いといえます。

⚠️ 許可件数が多い=安心、とは限らない

許可件数が多い業者だからといって、どの自治体でも、どの種類の廃棄物でも対応できるとは限りません。その業者が、実際に自社の廃棄物を扱う自治体・種類の許可を持っているかどうかを、個別に確認することが欠かせません。取引を始める前には、許可証に記載された事業範囲(許可の対象となる自治体・廃棄物の種類)を必ずチェックしましょう。

💡 許可は自治体ごと・種類ごとの「管理」が必要

事業エリアを広げるほど、許可の数は増えていきます。そして許可が増えるほど、更新時期や変更届出のタイミングもバラバラになり、管理の手間が大きくなります。許可は「取って終わり」ではなく、「維持し続ける」ことが重要です。自治体ごとに有効期間や更新時期の管理表を作っておくなど、早めの対策が安心につながります。

「関東一円で仕事を受けたいと考え、気づけば収集運搬業の許可を複数の自治体で持つようになっていました。ところが、許可ごとに更新のタイミングがバラバラで、ある自治体の許可の有効期限が目前に迫っていることに直前まで気づかず、慌てて手続きをしたことがあります」

許可件数は増加傾向にあるとされる

民間の解説では、産業廃棄物処理業の許可件数は、平成27年以降、増加傾向にあるとされています。環境省の発表でも、令和5年4月1日時点の241,906件から、令和6年4月1日時点では248,458件へと、6,552件増加しました。このうち、特別管理産業廃棄物処理業の許可件数は、令和6年4月1日時点で23,843件(対前年505件増)でした。

なお、先ほど紹介した令和7年7月31日時点の234,936件は、これらとは統計の集計方法が異なるため、単純に「増えた」「減った」と比較することはできません。それぞれ別の時点の数字として捉えておく必要があります。

許可の取消しも一定数発生している

環境省の発表によると、令和5年度の産業廃棄物処理業の許可取消し等(廃棄物処理法第14条の3及び第14条の3の2に基づくもの)は316件で、前年度から86件増加しました。許可を取得しても、維持・更新を怠れば、取消しの対象になり得ることを示すデータといえます。

行政書士が関われる業務範囲

産業廃棄物の収集運搬業・処分業の許可申請や、変更・更新の届出は、行政書士が関われる業務です。一方で、実際の廃棄物の処理や運搬そのものは事業者の業務であり、運搬車両の購入や、処理施設の設計・建築は行政書士の業務範囲ではありません。また、税務は税理士、労務は社会保険労務士の領域となるため、許可取得後の経営全般については、それぞれの専門家と連携しながら進めることになります。

事業エリアを広げるときの一般的な流れ

  1. STEP1 事業エリアの拡大を検討する
    新たに廃棄物を積み込む・降ろす自治体が増える場合、その自治体ごとに許可が必要かどうかを確認します。
  2. STEP2 自治体ごとの許可要件を確認する
    申請書類や審査基準は自治体によって異なる場合があるため、事前の確認が欠かせません。
  3. STEP3 許可申請・更新の手続きを進める
    必要書類を整え、各自治体へ申請します。あわせて、既存の許可の更新時期や変更届出の管理体制も見直しておくと安心です。

まとめ

今回紹介したとおり、「産廃の許可を持つ事業者の数」と「許可の件数」は別の数字であり、令和7年7月31日時点では、事業者数117,662者に対し、許可件数は234,936件と、約2倍の差があります。この差は、収集運搬業の許可が自治体ごとに必要になることや、処分業・特別管理産業廃棄物の許可を別々に数えることが理由です。許可件数は増加傾向にあるとされる一方、許可の取消し等も一定数発生しており、許可を取得した後の「管理」(更新時期・変更届出)がますます重要になっています。数字を見るときは、「何を数えている数字なのか」を確かめる視点を持っておくと安心です。

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免責事項

本記事の内容は、投稿時点(令和8年10月)の情報に基づいて作成しています。産業廃棄物処理業の許可申請・変更届出・更新手続きに関するご相談は行政書士が承りますが、実際の処理・運搬業務そのもの、運搬車両の購入、処理施設の設計・建築は行政書士の業務範囲外です。また、税務に関するご相談は税理士、労務に関するご相談は社会保険労務士など、それぞれの専門家にご確認ください。

廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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