産業廃棄物処分業許可、収集運搬業との違い

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✏️ この記事の執筆者

フロル行政書士事務所(横浜)
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「うちは産業廃棄物の収集運搬業許可を持っているから、処分も自社でやってしまって大丈夫ですよね?」
「処分業許可と収集運搬業許可、名前が似ているけど、結局何が違うの?」
「中間処理施設を作りたいけど、収集運搬業許可の延長で取れるものだと思っていた…」

産業廃棄物に関するご相談の中でも、この2つの許可を混同されているケースは非常に多く見られます。実際、法律上はまったく別の許可であり、片方を持っているからといってもう片方の業務ができるわけではありません。今回は「産業廃棄物処分業許可」と「産業廃棄物収集運搬業許可」の違いを中心に、処分業許可の要件や申請の流れを解説します。

所長 フロル

「運ぶ」と「処分する」、似ているようで全然別モノなんです。ここを勘違いしたまま事業を始めると、思わぬ無許可営業になってしまうこともあるので、しっかり整理していきましょう!

目次

産業廃棄物処分業許可とは

産業廃棄物処分業許可とは、事業活動に伴って生じた産業廃棄物を、他人からの委託を受けて焼却・破砕・脱水などの中間処理を行ったり、埋立などの最終処分を行ったりするために必要な許可です。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条に基づき、処分を行う施設が所在する都道府県知事(政令指定都市の場合は市長)の許可を受けなければなりません。

この許可がなければ、他社から出た産業廃棄物を受け入れて処理する事業を行うことはできず、無許可で行った場合は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれらの併科という重い罰則の対象になります(廃棄物処理法第25条)。

収集運搬業許可との違い

「産業廃棄物収集運搬業許可」は、他人の産業廃棄物を排出場所から処分場まで運ぶことに特化した許可です。一方、「産業廃棄物処分業許可」は、運ばれてきた廃棄物を処理・処分するための許可です。両者は根拠条文こそ同じ廃棄物処理法ですが、条文上も別項(収集運搬は第14条第1項、処分は第14条第6項)で規定されており、許可の種類そのものが異なります。

収集運搬業許可処分業許可
業務内容廃棄物の運搬(積替え・保管を含む場合あり)廃棄物の中間処理・最終処分
許可権者積込み地・積卸し地を管轄する都道府県知事等処理施設が所在する都道府県知事等
主な必要設備運搬車両、容器等焼却炉・破砕機・脱水設備などの処理施設
施設設置許可原則不要施設の種類によっては別途「産業廃棄物処理施設設置許可」が必要
必要な資格・講習収集運搬課程の講習会修了処分課程の講習会修了

つまり、収集運搬業許可を持っているだけでは、他社の産業廃棄物を自社で焼却したり埋め立てたりすることはできません。「運ぶ」ための許可と「処理する」ための許可は完全に別物であり、両方の事業を行うには両方の許可が必要という点をまず押さえておきましょう。

処分業許可の種類

処分業許可は、処理の内容によって大きく2つに分かれます。

  • 中間処理業許可:焼却、破砕、脱水、中和、乾燥などにより廃棄物を安定化・減量化する処理を行う許可
  • 最終処分業許可:埋立処分や海洋投入処分など、廃棄物を最終的に処分する許可

さらに、一定規模以上の処理施設を新たに設置する場合は、処分業許可とは別に「産業廃棄物処理施設設置許可」(廃棄物処理法第15条)を取得する必要があります。焼却施設であれば焼却能力が1時間あたり200kg以上、または火格子面積2㎡以上といった政令で定める規模基準が設けられており(具体的な数値は施設の種類等により異なるため、最新の政令・自治体窓口でのご確認をおすすめします)、施設の規模によって手続きの組み合わせが変わる点に注意が必要です。

処分業許可の取得要件

⚠️ 施設要件

処分を行う施設が、処理する廃棄物の種類に応じた処理基準・構造基準・維持管理基準に適合していることが求められます。焼却施設であれば燃焼室の温度管理や排ガス処理設備、最終処分場であれば遮水工や浸出液処理設備など、施設ごとに細かな基準が定められています。既存の建物を転用する場合でも、この基準を満たせなければ許可は下りません。

人的要件

申請者(法人の場合は役員等を含む)が、廃棄物処理法や関連法令による罰則を受けてから一定期間を経過していないなどの欠格要件に該当しないことが必要です。また、都道府県等が実施する「産業廃棄物処分業」の講習会を修了していることも条件となります。収集運搬業の講習会とは課程が異なるため、収集運搬業許可を持っている方でも、処分業を始める場合は改めて処分課程の講習を受講しなければなりません。

💡 経理的基礎

処理施設の設置・維持管理には多額の資金が必要になることから、収集運搬業許可以上に経理的基礎(事業の継続に必要な資力・信用があるか)が厳しく審査される傾向があります。直近3年分の財務諸表や税務申告書に加え、事業計画・資金計画の提出が求められるのが一般的です。

申請の流れ

処分業許可の取得までの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. STEP1:講習会の受講・修了
    公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター等が実施する「産業廃棄物処分課程」の講習会を受講し、修了証を取得します。
  2. STEP2:施設の整備・書類準備
    処理施設の構造基準・維持管理基準への適合を確認し、事業計画書、施設の構造を示す書類、財務関係書類などを準備します。
  3. STEP3:事前相談・現地調査
    多くの自治体では、正式申請の前に担当窓口への事前相談や現地確認が行われます。近隣住民への説明を求められる自治体もあります。
  4. STEP4:許可申請書の提出
    施設所在地を管轄する都道府県(政令指定都市)に申請書一式を提出します。
  5. STEP5:審査・許可
    書類審査に加え、施設の実地検査が行われることが一般的です。審査期間は自治体や施設の規模により数か月単位となることも珍しくありません。

実際にご相談いただいた解体業の事業者様は、収集運搬業許可のみを取得しており、「自社で出た廃材を自社の施設で処分すれば効率的だ」と処理施設の建設を進めていました。しかし着工直前になって処分業許可と施設設置許可の両方が別途必要であることが判明し、施設の構造基準を満たすための設計変更を余儀なくされたケースがありました。事業計画の初期段階で許可要件を確認しておくことの重要性がよく分かる事例です。

⚠️ このように、施設の設計・建築に着手してから許可要件を満たしていないことが判明すると、大幅な計画変更や追加コストが発生します。処分業への参入を検討する段階で、早めに専門家へ相談することが結果的に近道になります。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業許可と処分業許可は、根拠となる法律こそ同じでも、対象となる業務・許可権者・必要な講習会・審査の観点まで異なる別個の許可です。収集運搬業許可を持っているからといって処分業務を行うことはできず、逆もまた同様です。中間処理・最終処分を新たに始める場合は、施設要件や経理的基礎の審査に加え、処理施設の規模によっては施設設置許可も必要になる点を踏まえ、早い段階から計画を立てることが重要です。

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免責事項

本記事の内容は、投稿日(令和8年9月)時点の情報に基づいて作成しています。法令の改正等により内容が変更される場合がありますので、最新の情報は各都道府県・政令指定都市の担当窓口にてご確認ください。

廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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