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フロル行政書士事務所(横浜)
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「解体工事で出た廃材を、自社のトラックで処分場まで運びたい」
「取引先から『産業廃棄物も運んでほしい』と頼まれたけど、うちの許可で対応できるのだろうか」
「産業廃棄物収集運搬業許可を取りたいけど、何から手をつければいいのか分からない」
建設業や解体業、清掃業などを営んでいると、こうした悩みに直面する場面は少なくありません。産業廃棄物は、廃棄物処理法により厳格なルールのもとで管理されており、無許可での収集運搬は重い罰則の対象になります。今回は、産業廃棄物収集運搬業許可の基本から、取得要件、申請の流れ、注意点までをまとめて解説します。
所長 フロル廃棄物の運搬って「積んで運ぶだけ」に見えて、実はかなり細かいルールがあるんです。うっかり無許可で運んでしまう前に、一緒に整理していきましょう!
産業廃棄物収集運搬業許可とは、事業活動に伴って生じた「産業廃棄物」を、他人(排出事業者)が排出した産業廃棄物を、業として収集・運搬する事業を行うために必要な許可です。廃棄物処理法第14条に基づき、産業廃棄物を排出事業者以外の者が業として運搬する場合、都道府県知事(政令市の場合は市長)の許可が必要と定められています。
自社で排出した産業廃棄物を自社の車両・自社の従業員で運ぶ場合は、原則として許可は不要です。しかし、他社から運搬を請け負う場合や、下請け・協力会社として運搬業務を担う場合には、この許可が必須になります。
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた20種類に該当するものを指します。代表的なものを挙げると、以下のとおりです。
| 分類 | 具体例 |
|---|---|
| 燃え殻 | 焼却炉の灰、石炭がらなど |
| 汚泥 | 工場排水処理の汚泥、建設汚泥など |
| 廃油 | 潤滑油、切削油、廃食用油など |
| 廃酸・廃アルカリ | 写真定着廃液、廃苛性ソーダ液など |
| 廃プラスチック類 | 合成樹脂くず、発泡スチロールなど |
| がれき類 | コンクリート破片、アスファルト破片など |
| 金属くず | 切削くず、廃電線など |
これら以外にも、紙くず・木くず・繊維くず・ゴムくずなど、業種によって発生する廃棄物の種類はさまざまです。取り扱う廃棄物の種類によって申請区分が変わるため、事前の確認が欠かせません。
| ケース | 許可の要否 |
|---|---|
| 自社が排出した産業廃棄物を、自社の車両・従業員で処分場まで運ぶ | 原則不要 |
| 他社(排出事業者)から依頼を受けて産業廃棄物を運搬する | 必要 |
| 元請けとして受注した工事の廃棄物を、下請けが運搬する | 原則、下請け側にも許可が必要 |
| 積替え・保管を行いながら運搬する | 必要(積替え保管を含む許可) |
申請者(法人の場合は役員全員)が、成年被後見人でないこと、禁錮以上の刑や廃棄物処理法違反による罰金刑を受けてから一定期間を経過していることなど、欠格要件に該当しないことが求められます。
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する「産業廃棄物収集運搬課程」の講習会を受講し、修了試験に合格している必要があります。新規許可申請の場合、講習会修了証の有効期限は交付から5年以内とされているため、受講のタイミングにも注意が必要です。
産業廃棄物の性状に応じた運搬容器・運搬車両を保有していること、飛散・流出や悪臭発生のおそれがない運搬方法であることなどが求められます。汚泥や廃油など液状のものを運ぶ場合は、専用のタンクローリーや密閉容器が必要になるケースもあります。
申請から許可取得までの一般的な流れは、以下のとおりです。
STEP1. 講習会の受講・修了
日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会を受講し、修了証を取得します。
STEP2. 必要書類の収集・作成
定款、登記事項証明書、財務諸表、運搬車両の車検証の写し、事業計画書などを準備します。
STEP3. 申請先の確認
産業廃棄物を積み込む場所・積み下ろす場所それぞれの都道府県(政令市)に申請が必要です。複数の都道府県をまたいで運搬する場合は、その分だけ申請先が増えます。
STEP4. 申請書の提出
管轄の自治体窓口に申請書一式を提出します。
STEP5. 審査
自治体による書類審査が行われます。標準処理期間は自治体によって異なりますが、おおむね1〜2ヶ月程度が目安です。
STEP6. 許可証の交付
審査を通過すると許可証が交付され、事業を開始できます。
運搬の途中で一時的に廃棄物を積み替えたり保管したりする場合は、「積替え保管を含む」許可を取得しなければなりません。この場合、保管施設の設置場所や構造、周辺住民への説明会の実施など、通常の収集運搬許可より審査要件が厳しくなります。安易に自社倉庫で一時保管してしまうと、無許可保管として行政指導や罰則の対象になるため、事前に自治体へ相談することをおすすめします。
ある建設会社では、解体工事の元請けとして受注した現場で、下請けの運搬業者が産業廃棄物収集運搬業許可を持っていないまま廃材を運搬していたケースがありました。結果として、元請け・下請けの双方が行政指導を受け、工事のスケジュールにも大きな影響が出てしまいました。「下請けだから大丈夫」ではなく、実際に運搬を行う事業者が許可を持っているかを事前に確認することが、トラブル防止の第一歩です。
産業廃棄物収集運搬業許可の有効期間は5年間です。更新を怠り有効期間が切れてしまうと、許可は失効し、改めて新規申請からやり直す必要があります。更新申請は、有効期間満了日の2〜3ヶ月前までに行うのが一般的な目安とされていますが、自治体によって案内時期や必要書類が異なるため、早めのスケジュール確認が重要です。
産業廃棄物収集運搬業許可は、①欠格要件に該当しないこと、②講習会を修了していること、③運搬車両・容器などの施設要件を満たすことの3つが軸になります。加えて、積み込み地・積み下ろし地それぞれの自治体に申請が必要な点や、積替え保管を行う場合は要件が厳しくなる点は、特に見落とされがちな注意点です。「うちの業務に許可が必要かどうか分からない」という段階でも、早めに専門家へ相談することで、無許可営業や更新忘れといったリスクを避けることができます。
建設業許可の更新手続き完全ガイド、期限切れで悔やまないために
本記事の内容は、令和8年8月時点の法令等に基づいて作成しています。産業廃棄物収集運搬業許可に関する要件や手続きは、法改正や自治体ごとの運用により変更される可能性がありますので、実際の申請にあたっては必ず管轄の都道府県・政令市の担当窓口、または専門家に最新情報をご確認ください。また、本記事は許認可手続きに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言を行うものではありません。

