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フロル行政書士事務所(横浜)
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「経審の点数、去年と同じ感覚で申請しちゃって大丈夫かな…」「令和8年7月に経審のルールが変わったって聞いたけど、うちの会社にも関係あるの?」「決算日が近いのに、何を準備すればいいのか分からないまま時間だけが過ぎている…」
建設業許可を持つ事業者にとって、経営事項審査(経審)の点数は公共工事の入札参加資格に直結する、まさに死活問題です。しかも今回の改正は「知らないまま決算日を迎えると加点のチャンスを逃す」という、タイミングがシビアな内容になっています。今回は、令和8年7月1日に施行された経審の改正内容と、なぜ「決算日から逆算」して動く必要があるのかを、行政書士の視点から整理してご紹介します。
所長 フロル経審の改正、実は「決算日までに何をしていたか」が超重要なんです!今回は、うっかり損をしないためのポイントを一緒に確認していきましょう!
今回の改正は、中央建設業審議会総会(令和7年12月2日開催)での議論を経て、国土交通省が令和8年2月6日に改正内容を公布し、令和8年7月1日に施行されたものです。経審は建設業許可業者が公共工事の入札に参加するために必要な審査で、経営状況(Y点)や経営規模(X点)、技術力(Z点)、社会性等(W点)などを点数化して評価します。今回の改正では、この中でも特にW点(社会性等)まわりに大きな変更が加えられました。
| 改正項目 | 変更内容 |
|---|---|
| ①自主宣言制度の新設 | 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」への取組が新たな加点項目に追加(最大5点) |
| ②加点対象機械の追加 | 不整地運搬車・アスファルト・フィニッシャの2機種が追加(1台でW評点5点、最大15台まで加点) |
| ③社会保険加入項目の削除 | 雇用保険・健康保険・厚生年金保険の未加入に関する減点項目(各▲40点)を削除 |
| ④CCUS関連配点の見直し | 就業履歴蓄積措置の実施状況(W1-10)の加点配分を見直し |
今回の改正で最も注目すべきなのが、この自主宣言制度です。建設技能者の処遇改善に取り組む企業であることを自主的に宣言し、国土交通省の宣言企業ポータルサイトに掲載されることで、経審の加点対象になります。
加点を受けるためには、審査基準日(=決算日)が宣言日以降であること、かつ宣言書・誓約書を提出していることが条件です。つまり、決算日を過ぎてから慌てて宣言しても、その期の経審には間に合いません。国交省の宣言企業ポータルサイトへの掲載が加点の前提条件になっている点も見落としがちなので注意が必要です。
自主宣言制度の取組手順は、おおむね以下のステップで進みます。
賃金の適正な支払い、社会保険の加入状況、退職金制度(建設業退職金共済制度等)への加入など、宣言に必要な取組項目を確認します。
定められた様式に沿って宣言書・誓約書を作成し、提出します。
提出内容が確認され、ポータルサイトに掲載されることで、加点の前提条件が整います。
この時点で宣言日以降であることが、加点の絶対条件です。
ある建設業者様からは、「経審の直前になって自主宣言制度のことを知り、慌てて手続きを進めたが、決算日に間に合わず、次期の経審まで加点を持ち越すことになってしまった」というお話を伺いました。決算日が近い事業者ほど、早めの着手が肝心です。
従来、経審で加点対象となる建設機械は、ショベル系掘削機・ブルドーザー・移動式クレーンなど9機種でした。今回の改正で、これに「不整地運搬車」「アスファルト・フィニッシャ」の2機種が追加され、合計11機種となりました。
この2機種が追加された背景には、令和6年の能登半島地震等の応急復旧工事における活用実績があります。1台につきW評点5点が加算され、最大15台(15点)まで加点対象となっています。所有機械の棚卸しをして、これまで対象外だった機械が加点対象になっていないか、改めて確認することをおすすめします。
今回の改正では、雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入有無に関する減点項目(各▲40点)が削除されました。「加入していないと減点」という項目自体がなくなるため、一見すると「社会保険への加入意識が緩んでも良くなった」と誤解されがちなポイントです。
この削除は、決して社会保険加入の重要性が下がったという意味ではありません。令和2年10月から、建設業許可の要件そのものに社会保険への加入が追加されており、建設業許可の更新期間(5年)を踏まえると、令和7年10月以降はすべての建設業者が社会保険加入を満たしている状態になっているはずです。つまり、経審で改めて加入状況を確認する意味そのものがなくなったため、審査項目から削除されたというのが実態です。社会保険への加入義務が軽くなったわけではない点は、誤解のないよう押さえておきましょう。
建設キャリアアップシステム(CCUS)における就業履歴蓄積措置の実施状況(W1-10)についても、加点配分の見直しが行われました。これは、自主宣言制度の新設に伴い、W点全体のバランスを調整する形での改正です。CCUSの活用状況によって加点幅が変わるため、自社の現在の登録・運用状況を確認しておくことが大切です。
今回の改正で最も意識していただきたいのは、令和8年7月1日以降に申請する経審は、すべて新基準で審査されるという点です。そして、改正ポイント①でご説明した自主宣言制度は、「決算日(審査基準日)までに宣言を完了しておく」ことが加点の絶対条件になっています。
経審は決算日から数か月以内に申請する仕組みのため、「決算日を迎えてから経審の準備を始める」という従来のスケジュール感では、自主宣言制度の加点に間に合わない可能性があります。
このように、決算日をゴールではなく「逆算のスタート地点」として捉えることが、今回の改正を最大限に活かすカギになります。
令和8年7月1日施行の経審改正では、①自主宣言制度の新設(最大5点)、②加点対象機械2機種の追加、③社会保険加入項目の削除、④CCUS関連配点の見直しという4つの変更がありました。特に自主宣言制度は「決算日までに宣言完了」というタイミングが加点の条件となるため、決算日から逆算した早めの準備が欠かせません。「うちの決算日、経審にはいつ影響するの?」という点も含めて、疑問があれば早めに専門家に相談することをおすすめします。
本記事の内容は、投稿時点(令和8年10月)の情報に基づいて作成しています。制度の詳細や最新の運用については、国土交通省または各地方整備局の発表をあわせてご確認ください。

