船舶で無線機を使うなら免許が必要?国際VHF・レーダーの手続きを行政書士が解説

船舶で無線機を使うなら免許が必要?|フロル行政書士事務所

✏️ この記事の執筆者

フロル行政書士事務所(横浜)
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「ボートに国際VHFを付けたいけど、免許が必要って聞いた」「漁船にレーダーを搭載する場合の手続きは?」「小型船舶免許は持っているけど、無線の免許は別に必要なの?」

マリンレジャーや漁業で船舶を利用する方にとって、無線設備は安全確保の要です。しかし、船舶に搭載する無線機には「無線局免許」と「無線従事者資格」の2つが必要で、設備の種類や出力によって必要な資格が異なります。

この記事では、小型船舶で使われる無線設備ごとに必要な手続きを解説します。

所長 フロル

「小型船舶免許は持っているが、無線の免許は別途必要と知らなかった」というご相談をよくいただきます。無線局免許なしで運用すると電波法違反になりますので、開局前にご確認ください。


目次

まず確認:「小型船舶免許」と「無線局免許」は別物

小型船舶免許(1級・2級・特殊)は国土交通省が管轄する「船を操縦するための免許」です。一方、無線局免許は総務省が管轄する「船に搭載した無線設備を使うための免許」で、全く別の手続きが必要です。

さらに無線局免許とは別に、無線機を操作する人が「無線従事者資格」を取得していることも必要です。つまり:

  • 無線局免許:船舶に搭載する無線設備そのものの免許
  • 無線従事者資格:無線機を操作する人の資格

この2つがそろって初めて、合法的に船舶で無線機を使用できます。


小型船舶で使われる主な無線設備と必要な手続き

①国際VHF(船舶局)

国際VHFは150MHz帯を使用した、全世界共通の海上無線通信システムです。遭難・緊急通信、他船・海岸局との通信、港の施設との航行安全情報の交換など、海上での安全確保に欠かせない設備です。

設備の種類によって必要な資格が異なります。

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設備の種類無線局免許無線従事者資格
5W以下・携帯型(DSC機能なし)船舶局(特定船舶局)第三級海上特殊無線技士以上
5W以下・携帯型(DSC機能あり)船舶局(特定船舶局)第二級海上特殊無線技士以上
5Wを超え50W以下・据置型船舶局(特定船舶局)第二級海上特殊無線技士以上

💡 DSC(デジタル選択呼出)機能とは 遭難・緊急時に自船の位置情報を付近の船舶局に自動的に知らせる機能です。安全面での重要性が高く、最近はDSC機能付きの機種を選ぶ方が増えています。

特定船舶局とは 技術基準適合証明(技適)を取得した国際VHFを搭載する場合は「特定船舶局」として、簡易な手続きで免許を取得できます。通常の船舶局申請で必要な「予備免許」「落成検査」が省略されるため、多くの小型船舶はこの方式で申請します。


②レーダー(無線航行移動局)

船舶にレーダーのみを搭載する場合は「無線航行移動局」として免許申請が必要です。

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設備の種類無線局免許無線従事者資格
9GHz帯・5kW未満のレーダー(技適あり)無線航行移動局不要
上記以外のレーダー無線航行移動局資格が必要な場合あり

⚠️ 国際VHFとレーダーを両方搭載する場合 同一の船舶に国際VHFとレーダーを両方搭載しても、船舶局の免許は1つになります。レーダーのみ搭載の場合は「無線航行移動局」、国際VHFを搭載(レーダーと併用も含む)する場合は「船舶局(特定船舶局)」として申請します。


③衛星EPIRB(遭難自動通報局)

衛星EPIRB(非常用位置指示無線標識)は、遭難時に自動的に衛星に向けて位置情報を発信する緊急装置です。

  • 無線局免許:船舶局または遭難自動通報局として免許が必要
  • 無線従事者資格:不要

海上特殊無線技士の資格取得方法

国際VHFを操作するには「海上特殊無線技士」の資格が必要です。

第三級海上特殊無線技士(海特3)

  • 5W以下の携帯型VHF(DSC機能なし)を操作できる
  • 日本国内の通信のみ対応
  • 試験は年3回(6月・10月・2月)、公益財団法人日本無線協会が実施

第二級海上特殊無線技士(海特2)

  • 据置型VHF(25W)・DSC機能付き携帯型VHFを操作できる
  • 国内通信・DSC操作・レーダー操作が可能
  • マリンレジャーで本格的に無線を使いたい方に特におすすめ
  • 養成講習(1〜2日)を受講することで取得できる

💡 海特2の養成講習は比較的短期間で取得可能 養成講習であれば、1〜2日の受講で取得できます。マリーナや各地の海上保安部などで定期的に開催されています。ヨットレースやビルフィッシュトーナメント等への参加条件として国際VHFの運用が求められるケースも増えており、取得しておくと便利です。


開局申請の流れ(特定船舶局の場合)

STEP1|無線従事者資格を取得する 第三級または第二級海上特殊無線技士の資格を取得します。

STEP2|無線機を選定・購入する 技適マーク付きの国際VHF機器を選びます。携帯型(5W)か据置型(25W)かを用途に応じて選択。

STEP3|申請書類を作成・提出する 当該船舶の主たる停泊港を管轄する総合通信局に提出します(横浜・神奈川なら関東総合通信局)。

主な提出書類:

  • 無線局免許(再免許)申請書
  • 無線局事項書及び工事設計書
  • 無線従事者選任届
  • 船舶検査証書または船舶国籍証書(写し)
  • 返信用封筒(免許事項証明書送付用)

電子申請も可能です。

STEP4|免許事項証明書(免許状)の交付 審査が完了すると免許事項証明書が交付されます。国際VHF機器のある見やすい場所に掲示してください。

STEP5|電波利用料の納付 免許取得後は毎年電波利用料の納付が必要です。特定船舶局(国際VHFなど)の電波利用料は令和7年10月1日改正後の料額が適用されます。レーダーのみ(無線航行移動局)の場合は金額が異なる場合があります。最新の料額は総務省電波利用ポータルの料額表でご確認ください。


免許取得後の注意点

①有効期間は5年・再免許申請が必要

船舶局の免許の有効期間は5年です。継続して使用する場合は、満了の6か月前〜3か月前の間に再免許申請を行う必要があります。期限切れのまま運用すると電波法違反になります。

②25W据置型は5年ごとに定期検査がある

25W据置型の国際VHFは、船舶検査と同様に5年ごとの定期検査を受ける必要があります。地方総合通信局から通知が届きますので、必ず受検してください。

③無線設備を変更・追加する場合は変更届が必要

既に船舶局の免許を受けた船舶に国際VHFを追加・取り替える場合は、新たに免許申請を行うのではなく、変更の手続きが必要です(変更手続き自体は手数料不要)。

④船舶を売却・廃船する場合は廃止届が必要

船舶を売却・廃船する場合は廃止届を提出してください。廃止手続きをしないまま放置すると、電波利用料が発生し続けます。

⑤MMSI番号の設定(DSC機能使用時)

DSC機能を使用する場合は、免許状に記載されたMMSI番号(9桁)を無線機に設定する必要があります。設定を誤ると修正が難しくなるため、開局時に正確に設定しておきましょう。


まとめ

  1. 船舶で無線機を使うには「無線局免許」と「無線従事者資格」の両方が必要
  2. 小型船舶免許(船舶操縦免許)とは全く別の手続き
  3. 技適マーク付き国際VHFは「特定船舶局」として簡易な手続きで開局できる
  4. 5W携帯型(DSCなし)は海特3、25W据置型・DSC付きは海特2以上が必要
  5. 有効期間は5年。満了前6〜3か月の間に再免許申請が必要
  6. 25W据置型は5年ごとの定期検査が必要

「開局申請の手続きを任せたい」「再免許の申請を代行してほしい」という方はご相談ください。


船舶局の開局申請はフロルへ

フロル行政書士事務所の代表は、第一級陸上無線技術士・電気通信主任技術者の資格を保有しており、船舶局の開局申請・再免許申請をサポートします。

「どの資格が必要か確認したい」「申請書類の作成を任せたい」という方も、お気軽にご相談ください。

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📋 無線局免許の基本については無線局免許とは?総論記事もあわせてご覧ください。


免責事項 本記事は令和8年7月時点の情報をもとに作成しています。手数料・手続きの詳細は変更される場合がありますので、申請前に必ず総務省電波利用ポータルサイトまたは関東総合通信局にご確認ください。本記事の内容に基づいて生じた損害等について、当事務所は責任を負いかねます。


廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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