一般社団法人の設立を行政書士が解説|社会貢献・地域活動をしたい方の入門ガイド

一般社団法人設立の流れ|フロル行政書士事務所

✏️ この記事の執筆者

フロル行政書士事務所(横浜)
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「社会貢献活動をしたい」「地域のために団体を作りたい」「業界の仲間と一緒に活動する法人を作りたい」——そんな想いを持つ方から、一般社団法人の設立についてご相談をいただくことが増えています。

この記事では、一般社団法人とは何か、設立するメリット・デメリット、設立の手順をわかりやすく解説します。「法人格って必要?」という基本的な疑問から、設立後の運営まで、行政書士の実務目線でお伝えします。


目次

そもそも一般社団法人とは?

一般社団法人とは、人の集まり(社員)によって設立される非営利法人です。2008年に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立できます。

「非営利法人」と聞くと「利益を上げてはいけない」と思われがちですが、それは誤解です。利益を上げることは問題ありません。ただし、その利益を社員(構成員)に分配してはいけないというのが非営利の意味です。利益は団体の活動目的のために使います。


法人格を取るメリットは?

任意団体(法人格のない団体)のまま活動することもできますが、法人格を取ることで次のようなメリットがあります。

① 団体名での契約・登記が可能になる 法人格がない場合、契約や不動産の登記は代表者個人の名義で行う必要があります。法人格を取ることで、団体名義での契約・登記が可能になり、代表者が変わっても団体の資産や契約関係が維持されます。

② 社会的信用が高まる 法人格があることで、行政・企業・金融機関からの信頼度が上がります。補助金・助成金の申請や、行政との連携事業に参加しやすくなります。

③ 責任の所在が明確になる 法人として活動することで、個人と団体の財産・責任が分離されます。


一般社団法人の特徴

事業内容は自由 株式会社や合同会社と異なり、一般社団法人の事業内容に制限はありません。資格認定・業界団体・介護事業・スポーツ・文化活動・地域活動など、幅広い目的で設立されています。

社員は2名以上 設立時に社員(法人の構成員)が2名以上必要です。社員は個人だけでなく法人も就任できます。また社員の議決権は出資額に関わらず1人1議決権です。

利益配当はできない 先述のとおり、社員への利益配当はできません。ただし職員への給与支払いは可能です。

社員が0人になると解散 社員が1人もいなくなると法律上解散となります。社員の確保・維持が運営上重要です。


NPO法人との違い

社会貢献・地域活動を目的とする法人形態として、NPO法人(特定非営利活動法人)もよく比較されます。主な違いは次のとおりです。

項目一般社団法人NPO法人
設立までの期間2〜3週間5カ月前後
設立方式準則主義(登記のみ)認証主義(所轄庁の認証が必要)
事業内容自由20分野に限定
社員数2名以上10名以上
設立費用登録免許税6万円登録免許税不要

社会貢献活動をしたい場合でも、事業内容の自由度と設立のスピードを重視するなら一般社団法人NPO法人としての認知度・透明性を重視するならNPO法人という選び方になります。


一般社団法人設立の全体像

設立完了までの期間は2〜3週間です。全体の流れは次のとおりです。

STEP 1:ヒアリング・基本事項の決定
STEP 2:定款の作成・公証役場での認証
STEP 3:関係書類の作成
STEP 4:司法書士への登記依頼
STEP 5:登記完了・各種届出

株式会社と同様に公証役場での定款認証が必要ですが、印紙税の4万円は電子定款・紙の定款いずれの場合も発生しません(一般社団法人は印紙税の課税対象外)。


STEP 1|ヒアリング・基本事項の決定

定款作成の前に、以下の基本事項を決めます。

名称 「一般社団法人〇〇」という名称にします。株式会社のような「商号」ではなく「名称」と呼びます。

主たる事務所所在地 「本店」ではなく「主たる事務所」と呼びます。自宅・賃貸事務所・バーチャルオフィスいずれでも登記できます。

目的と事業 株式会社の「事業目的」に相当しますが、一般社団法人では「目的」と「事業」を分けて定款に記載します。目的は法人の理念・存在意義を示すもの、事業は具体的な活動内容を列挙するものです。

社員構成 設立時社員が2名以上必要です。社員は法人の意思決定機関である社員総会で議決権を持ちます。

役員構成と任期 理事1名から設立可能です。理事会を設置する場合は理事3名以上・監事1名以上が必要です。理事の任期は原則2年、監事は4年です。

事業年度 決算月をいつにするかです。

非営利型にするかどうか 一般社団法人には「普通型」と「非営利型」の2種類があり、非営利型は定款の設計次第で税務上のメリットを受けられます。後から変更するには定款変更が必要になるため、設立前の検討が重要です。詳しくは別記事「非営利型一般社団法人の税務メリットと設立のポイント」をご覧ください。

残余財産の帰属 解散時に残余財産がある場合、誰に帰属させるかを定款に定める必要があります。非営利型にする場合は国・地方公共団体または一定の公益的な団体に贈与する旨を定める必要があります。


STEP 2|定款の作成・公証役場での認証

基本事項が決まったら定款を作成します。

印紙税がかからない

一般社団法人の定款は、電子定款・紙の定款いずれの場合も印紙税の課税対象外です。ただし公証役場での定款認証は必要で、公証人手数料5万円がかかります。

定款の主な記載内容

① 法人の基本情報 名称・主たる事務所・目的・事業・公告の方法・事業年度

② 社員に関する事項 社員の資格取得・喪失・除名・議決権

③ 役員に関する事項 理事の員数・任期・代表理事の選定方法・理事会設置の有無・監事の設置

④ 社員総会に関する事項 招集方法・議長・決議の方法・招集手続の省略・書面決議

⑤ 資産・会計に関する事項 事業報告・決算・残余財産の帰属

特に残余財産の帰属剰余金の分配禁止の条項は、非営利型にする場合に必須の記載事項です。

公証役場への提出書類

定款が完成したら公証役場へ送付して内容を確認してもらいます。株式会社と同様に「実質的支配者となるべき者の申告書」の提出が必要です。


STEP 3|関係書類の作成

定款の作成日以降に、以下の書類を作成します。

就任承諾書 設立時理事・設立時代表理事それぞれの就任を承諾する書面です。

設立時理事選任並びに主たる事務所所在場所の決定に関する決議書 設立時社員全員が出席し、設立時理事の選任と主たる事務所を決定した旨を記載する書面です。

設立時代表理事選定書 設立時理事全員が出席し、設立時代表理事を選定した旨を記載する書面です。


STEP 4|司法書士への登記依頼

書類が揃ったら、登記申請は司法書士が行います。登記は司法書士の独占業務のため、行政書士は定款作成等の書類作成を担い、登記部分は司法書士に引き継ぎます。

設立希望日が決まっている場合は、この段階で必ず司法書士に伝えましょう。なお、2026年2月2日以降は土日祝日・年末年始も設立日として選択できるようになりましたので、記念日や節目の日に合わせることも可能です。


STEP 5|登記完了・その後の手続き

法務局で審査が通れば登記完了です。登記完了後は次の手続きが続きます。

  • 法人の印鑑証明書・登記事項証明書の取得
  • 法人口座の開設
  • 税務署・都道府県・市区町村への各種届出
  • 社会保険の加入手続き(職員を雇用する場合)
  • 許認可が必要な業種は許認可申請

費用の目安

電子定款・理事1名・社員2名のケースを例に示します。

項目金額
登録免許税6万円
公証人手数料5万円
印紙代0円(課税対象外)
行政書士報酬(定款作成等)10万円前後
司法書士報酬(登記申請)3〜6万円前後
合計(概算)24〜26万円前後

※あくまで費用の目安です。詳細はお気軽にフロル行政書士事務所までお問い合わせください。


「書類だけで、本当に大丈夫?」フロルはその先のことまで一緒に考えます。

フロル行政書士事務所では、単なる書類作成にとどまらず、設立の前段階から一緒に法人の設計に関わることを大切にしています。定款の目的・事業の記載が活動内容と合っていない、非営利型にすべきかどうか判断できない、設立後の運営方法がわからない、といったお悩みは設立前に一緒に整理することができます。

フロル行政書士事務所では、設立後の支援として以下をご提案しています。

補助金・助成金申請 一般社団法人でも補助金・助成金の申請が可能です。活動内容によっては行政や財団からの助成金も活用できます。設立のタイミングで一緒にご相談ください。

許認可取得 介護事業・学童保育・障害福祉サービスなど、一般社団法人で多く見られる事業には許認可が必要なものがあります。定款の目的・事業に必要な記載が入っているかどうかを設立段階から確認します。

運営サポート 社員総会の議事録作成・定款変更など、設立後の運営に関わる書類作成もサポートします。

「まず相談してみたい」という方は、お気軽にフロル行政書士事務所までご連絡ください。横浜市を中心に、神奈川県全域・東京都内もオンライン対応しております。

どの法人形態が自分に向いているか迷っている方は、「会社・法人の種類と選び方まとめ|株式会社・合同会社・一般社団法人・NPO法人を徹底比較」もあわせてご覧ください。


まとめ

一般社団法人設立の流れをまとめると次のとおりです。

  1. 基本事項の決定(名称・目的・事業・社員構成・役員構成・事業年度)
  2. 定款の作成・公証役場での認証(印紙税不要・公証人手数料5万円)
  3. 関係書類の作成
  4. 司法書士への登記依頼
  5. 登記完了・許認可・補助金など設立後の手続き

社会貢献・地域活動・業界団体など、幅広い目的に対応できる柔軟な法人形態が一般社団法人の魅力です。非営利型にすることで税務上のメリットも得られます。詳しくは別記事「非営利型一般社団法人の税務メリットと設立のポイント」もあわせてご覧ください。

どちらがベストかわからない場合は、ぜひフロル行政書士事務所にご相談ください。

廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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