【許認可】ガールズバーの開業、実は許可が必要なケースとそうでないケースがある

【許認可】ガールズバーの開業、実は許可が必要なケースとそうでないケースがある|フロル行政書士事務所

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フロル行政書士事務所(横浜)
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「ガールズバーを始めたいんですが、普通の飲食店営業許可だけで大丈夫ですよね?」

こうしたご相談を受けることがありますが、実はこの質問への答えは「お店の営業形態によって変わります」というのが正確なところです。ガールズバーという業態は、法律上の明確な定義があるわけではなく、実際の接客の仕方によって、必要な許可・届出がまったく異なってきます。

「飲食店営業許可だけ取って開業したら、後から違反を指摘された」というトラブルは実際に起きています。今回は、ガールズバーの開業にあたって、どのような場合に追加の許可が必要になるのか、その判断基準を整理してご紹介します。

所長 フロル

ガールズバーって、実は”接客の仕方”ひとつで必要な手続きが全然変わってくるんです。ここを曖昧にしたまま開業すると、後から営業できなくなるリスクもあるので、しっかり整理していきましょう!


目次

大前提:飲食店営業許可はどんな業態でも必要

まず大前提として、お酒や食事を提供する店舗である以上、保健所の飲食店営業許可は業態を問わず必須です。これはガールズバーに限らず、どんな飲食店でも共通して必要な許可です。

問題になるのは、この飲食店営業許可「だけ」で営業できるのか、それとも追加で接客業に関する許可・届出が必要になるのか、という点です。この判断を分けるのが「接客の仕方」です。

判断基準①:接待に該当するかどうか

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)では、「接待」という行為を行うかどうかが、追加の許可・届出の要否を左右する重要な基準になっています。

風営法上の「接待」とは、歓楽的雰囲気を演出するような形で、お客様のそばに座って継続的に会話をしたり、お酌をしたり、一緒にお酒を飲んだりする行為などを指します。単にカウンター越しに飲み物を提供する、簡単な会話をする程度であれば、通常は「接待」には該当しないと解釈されています。

  • 接待に該当する営業をする場合
    風俗営業許可(社交飲食店営業=1号営業)が必要になり、営業時間や店舗の構造にも規制がかかります
  • 接待に該当しない、カウンター越しの接客にとどめる場合
    飲食店営業許可のみで営業できる可能性がありますが、深夜0時以降も営業してお酒を提供する場合は別途、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です

つまり、キャストが客席に座ってお酌をしたり、隣に座って会話を盛り上げたりするような、いわゆる「接客型」のガールズバーは、実質的に接待を伴う営業とみなされ、風俗営業許可の対象になる可能性が高いということです。

よくある事例: カウンター越しの接客のみを前提に飲食店営業許可だけで開業したものの、実際には常連客の求めに応じてキャストが客席に座って会話をする運用が常態化していたため、警察の立ち入りの際に無許可営業(風俗営業許可の未取得)を指摘されたケースがあります。「たまたま」のつもりで始めた接客が、営業実態として定着してしまうと、後から取り返しのつかない状況になりかねません。

「接待」に該当する行為・しない行為の具体例

現場でよく判断に迷うポイントを、具体例で整理します。

接待に該当しやすい行為:

  • キャストが客席(テーブル・ソファ席等)に座って継続的に会話をする
  • お客様のグラスにお酌をする、一緒に乾杯をする
  • カラオケの選曲や歌唱を、お客様と一緒に行う
  • お客様の隣に座って、身体的な距離が近い接客を続ける

接待に該当しにくいとされる行為:

  • カウンター越しに飲み物を作って提供するのみ
  • 短時間の会話(オーダーの確認、簡単な世間話程度)にとどめる
  • 客席に座らず、立ったまま応対する

ただし、この線引きは非常にケースバイケースで、「一度だけなら大丈夫」という考え方は通用しません。 短時間であっても、継続的・反復的に行われれば接待とみなされる可能性がありますし、逆に一見軽い会話でも、歓楽的雰囲気を醸成する意図が明確であれば問題視されることがあります。営業マニュアルやスタッフ教育の段階で、どこまでが許容範囲かを明確にしておくことが重要です。

判断基準②:営業時間帯

深夜0時以降も営業を続ける場合は、接待の有無にかかわらず、別の手続きが関わってきます。

  • 接待を伴わない業態で深夜0時以降も酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です
  • 風俗営業許可を取得している場合、原則として深夜0時以降の営業はできません(風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業を同時に行うことは、同一店舗内では認められていません)

つまり、「深夜まで接待ありで営業したい」というのは、制度上両立しない組み合わせになるため、事業計画の段階でどちらの業態を選ぶか明確にしておく必要があります。

開業前に確認すべきチェックリスト

  • 客席での接客(お酌、隣に座っての会話等)を行う予定があるか
  • 深夜0時以降も営業する予定があるか
  • 店舗の構造(客席の見通し、照度、防音設備等)が、選択する業態の基準を満たしているか
  • 店舗の立地が、風俗営業許可の対象地域に含まれているか(用途地域・保全対象施設からの距離制限あり)

特に立地条件は、風俗営業許可を取得する場合に非常に重要です。学校や病院など、いわゆる保全対象施設から一定距離内にある物件では、そもそも許可を取得できないことがあります。物件を契約する前の段階で確認しておくことを強くおすすめします。

よくある事例: 物件契約後に風俗営業許可の申請準備を始めたところ、店舗が保全対象施設から必要な距離を確保できていないことが判明し、結局その業態での営業を断念せざるを得なかったケースがあります。物件選びの段階から、許可要件を踏まえて検討することが不可欠です。

よくある質問(Q&A)

Q. 「ガールズバー」という名称自体に法律上の定義はありますか?
A. ありません。あくまで営業実態(接待の有無、営業時間帯)によって、必要な許可・届出が決まります。名称やお店のジャンル分けで判断されるわけではない点に注意が必要です。

Q. オープン後に接客スタイルを変更する場合、何か手続きは必要ですか?
A. 接待を伴わない業態から接待を伴う業態に変更する場合は、新たに風俗営業許可の取得が必要になります。逆に風俗営業許可を取得した後に営業形態を変える場合も、変更承認申請等の手続きが必要になることがあります(このテーマは別記事で詳しく解説予定です)。

Q. 無許可で営業してしまった場合、どうなりますか?
A. 風営法違反として、営業停止命令や罰則の対象になる可能性があります。故意でなくても、実態として接待に該当する行為が行われていれば違反とみなされるため、「知らなかった」では済まされないケースがほとんどです。

行政書士に相談するメリット

「接待に該当するかどうか」の判断は、実際の接客オペレーションの細部に左右されるため、事業者自身での判断が難しい部分です。また、物件の立地条件(保全対象施設からの距離、用途地域)の確認は、開業準備の初期段階で行っておく必要があり、後から気づいても手遅れになってしまうことがあります。開業する業態のイメージが固まった段階で専門家に相談することで、物件選びから許可取得まで、無理のないスケジュールで進めることができます。

まとめ

ガールズバーの開業にあたっては、「接待に該当する接客をするかどうか」「深夜0時以降も営業するかどうか」という2つの軸で、必要な許可・届出が変わってきます。接客型で営業する場合は風俗営業許可、深夜まで営業する場合は深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要であり、この2つを同時に行うことはできません。名称やイメージだけで判断せず、実際の営業実態に即して、開業前に必要な手続きを確認しておくことが重要です。

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本記事は令和8年7月時点の情報に基づいて作成しています。風営法や関連条例は改正される場合がありますので、実際の開業にあたっては、必ず最新の法令・所轄警察署の見解をご確認ください。また、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の許可要否を保証するものではありません。


廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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