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フロル行政書士事務所(横浜)
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「AIに書類を作らせれば、行政書士なんて要らなくなるんじゃないの?」
「ChatGPTに聞けば大体のことは分かる時代に、専門家に相談する意味ってあるの?」
「便利なのは分かるけど、AIの回答をそのまま信じて手続きを進めて大丈夫なんだろうか…」
ここ数年、こうした声をよく耳にするようになりました。生成AIが日常の道具になった今、士業の仕事がどう変わっていくのかは、依頼者にとっても専門家にとっても他人事ではないテーマです。今回は、行政書士業務とAIの関係について、「どこまで頼ってよく、どこから先は自分で決めるべきか」という視点で整理してみます。
所長 フロルAIは頼れる相棒。でも最後のハンコを押すのは、いつだって人間なんですよ。
まず押さえておきたいのが、法改正の動きです。2026年1月に施行された行政書士法改正では、士業として初めて「デジタル社会への対応」が努力義務として明文化されました(出典:日本行政書士会連合会「改正行政書士法について」)。
これは「AIを使いなさい」という強制ではありません。しかし、行政手続きのデジタル化が進む社会において、専門家自身も業務のあり方をアップデートしていくことが、制度上も期待される時代になったということを意味しています。裏を返せば、AIやデジタルツールを一切使わずに旧来のやり方だけで業務を続けることは、今後は依頼者に対して十分なサービスを提供できないリスクにもつながりかねません。
「AIに仕事を奪われるのでは」という不安をよく聞きますが、実際に現場で感じているのは、業務が消えるというよりも「中身が分化している」という感覚です。定型的な部分はAIが担い、判断や交渉が必要な部分は人間が担う、という役割分担がはっきりしてきました。
| 担い手 | 主な役割 |
|---|---|
| AIが担う部分 | 定型書類の初稿作成、情報整理、スケジュール管理 |
| 人間(行政書士)が担う部分 | 最終的な法令適合判断、役所との折衝、依頼者へのヒアリング、申請戦略の立案 |
つまり、AIは「下書きを速く、正確に整える」ことは得意でも、「この事案において、この書き方・この構成が本当に許認可要件を満たすか」を最終的に判断することはできません。この最終判断こそが、専門家としての行政書士の存在価値そのものです。
実際に業務の現場で需要が伸びていると感じるのは、AIだけでは完結しにくい分野です。
相続や終活の相談は、単なる書類作成の依頼ではありません。感情と利害が交錯する「家族の物語」を扱う仕事であり、AIに任せることが難しい領域とされています。誰にどの財産を、どんな想いで遺したいのか。相続人同士の関係性、過去の経緯、将来への不安。こうした背景を丁寧に聴き取り、法的に整理していく作業は、対話を重ねる人間にしかできません。
もう一つ需要が伸びているのが、補助金・DX/AI導入支援の分野です。「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧IT導入補助金)への改称も、この流れを象徴する動きといえるでしょう。事業者がAIやITツールを導入する際の申請支援は、まさに行政書士の専門性が求められる場面です。
なお、補助金の申請支援においては、就業規則の整備や社会保険手続きなど社会保険労務士の独占業務に該当する労務関連の代理業務は、行政書士の業務範囲外となります。労務面での対応が必要な場合は、社会保険労務士など他士業と連携して進めることになります。
当事務所でも、日々の業務の様々な場面でAIを「壁打ち相手」「調査補助」として活用しています。具体的には次のような場面です。
ここで一線を引いているのが、最終的な事実確認や法的判断は、必ず対面での面談を通じて行うという原則です。AIが整理した論点はあくまで「たたき台」であり、実際のご事情、書類の原本、ご家族の関係性などは、直接お会いしてお話を伺わなければ正確に把握できません。
以前、遺産分割に関するご相談で、事前にいただいた情報を基に論点を整理していたところ、面談の中で「実は数年前に一部の不動産だけ名義変更をしていた」という事実が判明したことがありました。書面や事前ヒアリングだけでは見えてこなかった経緯が、対面でのやり取りの中で明らかになった典型的な例です。こうした「聞いてみないと分からないこと」は、どれだけAIが発達しても代替できない部分だと感じています。
実務家として意識しているのは、次のような線引きです。
AIの回答は「参考情報」であって「結論」ではありません。特に許認可の要件充足性や、個別の事情を踏まえた申請戦略の立案は、資格を持つ専門家が責任を持って判断すべき領域です。この線引きを曖昧にしないことこそが、AI時代における行政書士の専門性の核心だと考えています。
2026年1月施行の行政書士法改正により、士業のデジタル対応は努力義務として明文化されました。AIによって業務が消えるわけではなく、定型作業はAIへ、最終判断と対話は専門家へと役割が「分化」しているのが実態です。相続・終活のように感情と利害が絡む分野、補助金・DX/AI導入支援のように制度が動いている分野では、むしろ専門家への需要が伸びています。当事務所でも情報収集や事務処理の効率化にAIを活用しつつ、最終的な事実確認と判断は必ず対面での面談で行うという一線を大切にしています。「便利さ」と「専門家としての責任」、その両方を両立させることが、これからの行政書士業務のあり方だと考えています。
本記事の内容は、投稿時点(令和8年9月)の情報に基づいて作成しています。補助金申請支援に関連して、就業規則の整備や社会保険手続きなど社会保険労務士の独占業務に該当する労務関連の手続きの代理は、行政書士業務の範囲外です。該当する対応が必要な場合は、社会保険労務士など他の専門家と連携してご案内いたします。

