バーチャルオフィスで会社設立はできるか

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✏️ この記事の執筆者

フロル行政書士事務所(横浜)
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「起業するなら会社を作りたい。でも自宅の住所を登記簿に載せるのはちょっと抵抗がある…」
「かといって、いきなり都心にオフィスを借りる予算はない…」
「バーチャルオフィスの住所で登記して大丈夫なんだろうか?銀行口座は作れる?」

SNSやネットショップ運営、フリーランスからの法人化など、自宅を拠点に事業を始める方が増えている今、こうした悩みを抱える方は少なくありません。「住所だけ借りる」バーチャルオフィスは便利そうに見える一方で、本当に会社設立に使えるのか、不安に思う方も多いはずです。

所長 フロル

結論から言うと「できます」!ただし、業種によっては使えないケースや、銀行口座開設で苦労するケースもあるんです。今日はそのあたりを一緒に整理していきましょう♪

目次

そもそもバーチャルオフィスとは?

バーチャルオフィス(レンタル住所)とは、実際の作業スペースを持たずに、法人登記用の住所や郵便物の受け取り、電話転送などのサービスだけを提供する仕組みです。都心の一等地の住所を月数千円〜数万円程度で利用できることから、コストを抑えたい起業家や、自宅住所を公開したくない個人事業主・フリーランスに人気があります。

バーチャルオフィスで会社設立(登記)はできるのか

会社の本店所在地は、商業登記法上「実際にそこで事業活動をしていること」までは求められておらず、登記可能な住所であれば足りるとされています。そのため、バーチャルオフィスの住所を本店所在地として定款に記載し、法人登記を行うこと自体は法的に可能です。実際に、法人登記の際に法務局が「実体があるかどうか」を厳密に調査することは通常ありません。

ただし、これはあくまで「登記ができる」というだけの話です。次章以降で説明するとおり、業種によっては別の法律の要件でバーチャルオフィスが使えないケースや、登記後の実務(銀行口座開設など)で壁にぶつかるケースがあるため、注意が必要です。

会社設立の大まかな流れ(バーチャルオフィス利用時)

バーチャルオフィスを使う場合でも、基本的な会社設立の流れは通常のオフィスを借りる場合と変わりません。

STEP1:バーチャルオフィスの契約

「法人登記可」と明記されている事業者を選び、契約します。運営会社によっては個人利用のみで法人登記不可の場合もあるため、契約前の確認が必須です。

STEP2:会社の基本事項・定款の作成

商号・事業目的・本店所在地(バーチャルオフィスの住所)・資本金・役員構成などを決め、定款を作成します。

STEP3:定款認証(株式会社の場合)

公証役場で定款の認証を受けます。合同会社の場合は認証不要です。

STEP4:資本金の払込み

発起人名義の口座に資本金を払い込みます。

STEP5:法務局への設立登記申請

必要書類を揃えて法務局に登記申請を行います。登記が完了すると会社が正式に成立します。

STEP6:税務署・年金事務所等への届出

法人設立届出書、青色申告承認申請書、社会保険関係の届出などを行います。

バーチャルオフィスで会社を作るメリット・デメリット

項目メリットデメリット
コスト実オフィスに比べて大幅に安い(月数千円〜)作業スペースは別途確保する必要がある
住所の見栄え都心の一等地住所でブランドイメージ向上同一住所に多数の法人が登記され「怪しい」と見られることも
プライバシー自宅住所を公開せずに済む–
信用面–銀行口座開設や与信審査で不利になる場合がある
許認可–業種によっては要件を満たせず利用不可

⚠️ 許認可業種では要注意

以下のような許認可・登録が必要な業種では、「実体のある事務所(施錠可能な保管場所や専用の執務スペースなど)」が要件となっていることが多く、バーチャルオフィスでは許認可を取得できない、または取得後に問題となる可能性が高いため注意が必要です。

  • 古物商許可(中古品売買業)
  • 宅地建物取引業(宅建業)免許
  • 建設業許可
  • 人材派遣業・職業紹介事業の許可
  • 風俗営業許可
  • 探偵業の届出

これらの業種を予定している場合は、バーチャルオフィスではなく実体を伴う事務所を用意するか、要件を満たす形態(自宅の一部を事務所として区画するなど)を検討する必要があります。

💡 銀行口座開設が最大のハードル

会社設立そのものより実務上ハードルが高いのが、法人銀行口座の開設です。近年は犯罪収益移転防止法(マネーロンダリング対策)の観点から、金融機関はバーチャルオフィスを本店所在地とする法人の口座開設審査を厳格化しています。

「登記は無事に終わったのに、いざ銀行に口座開設の相談に行ったら、事業実態について詳しくヒアリングされ、事業計画書や取引先との契約書の提出まで求められました。想定より2週間ほど余計に時間がかかりました」(IT系サービスで起業されたお客様の実例より)

審査を通りやすくするためには、事業内容や取引実態を具体的に説明できる資料(事業計画書、Webサイト、取引先とのやり取りなど)を準備しておくことがポイントです。ネット銀行の方が比較的柔軟な傾向がありますが、絶対に開設できるとは限らないため、複数の金融機関を候補にしておくと安心です。

バーチャルオフィス選びのチェックポイント

  • 「法人登記可」と明記されているか
  • 郵便物の転送頻度・方法(即日/週1回など)
  • 電話番号の貸与や電話転送サービスの有無
  • 会議室・作業スペースの利用可否
  • 運営会社の実績・所在地(同一住所に極端に多数の法人が登記されていないか)

まとめ

バーチャルオフィスでの会社設立は、商業登記法上は問題なく可能です。コストを抑えつつ都心の住所を利用できる点は大きな魅力ですが、許認可業種では利用できない場合があること、銀行口座開設の審査が厳しくなる傾向があることは事前に理解しておく必要があります。将来的にどのような事業展開・許認可取得を予定しているかを踏まえて、バーチャルオフィスの利用可否を判断することが大切です。

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免責事項

本記事の内容は令和8年9月時点の法令・制度等に基づいて作成しています。法令改正等により内容が変更される場合がありますので、実際の手続きにあたっては最新の情報をご確認ください。また、会社の設立登記の申請代理業務は司法書士の独占業務であり、行政書士が代理で登記申請を行うことはできません。フロル行政書士事務所では、定款作成や許認可・補助金申請等のサポートを行っておりますが、登記申請そのものについては提携する司法書士をご紹介する形での対応となります。あらかじめご了承ください。

廣岡 慶之
フロル行政書士事務所 代表行政書士
フロル行政書士事務所 代表行政書士の廣岡慶之です。鉄道会社にて駅工事設計・官公署との調整など安全運行を支える業務に従事。その後、コンサルティング会社勤務を経て行政書士として独立。行政書士のほか、FP・IT資格・簿記を保有し、手続き支援にとどまらない経営・資産形成アドバイスが強みです。「想いを形に。未来を設計する。」をモットーに、起業から人生設計まで伴走型でサポートします。
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