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フロル行政書士事務所(横浜)
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「事務所を移転するんですが、無線局の免許ってそのまま使えますよね?」
こうしたご相談を受けることがあります。無線局免許は、免許を受けた際の周波数・出力・設置場所などの条件のもとで運用が認められているものであり、これらの条件を変更する場合は、電波法上、改めて手続きを行う必要があります。 「事務所が変わっただけだから」と軽く考えて、届出をせずに運用を続けてしまうと、電波法違反になりかねません。
今回は、無線局免許の内容を変更する際の手続きについて整理してご紹介します。
所長 フロル無線局の免許って、いったん取ったら終わりじゃないんです。周波数や設置場所を変えるたびに、実は手続きが必要になることがあるんですよ。今日はそのあたりを一緒に確認していきましょう!
無線局の免許を受けると、免許人には「無線局免許状」が交付されます。この免許状には、無線局の種別、周波数、空中線電力(出力)、設置場所、識別信号(コールサイン)など、その無線局の運用に関する条件が記載されています。無線局の運用は、この免許状に記載された条件の範囲内でのみ認められており、記載内容と異なる状態で運用することは、電波法上の違反となります。
そのため、次のような変更を行う場合は、単なる社内的な設備の入れ替えや引っ越しであっても、電波法上の手続きが必要になります。
電波法では、免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、無線設備の設置場所等を変更しようとするとき、あらかじめ総務大臣(実務上は総合通信局)の許可を受けなければならないと定められています。これは、以前の記事で解説した「風俗営業許可の変更承認申請」と同じ考え方で、変更後の内容で運用を始める前に、審査を受けて許可を得る必要があるということを意味します。
無線局の変更許可の審査では、変更後の内容が、次のような点で問題ないかが確認されます。
よくある事例:
建設会社が現場事務所を移転した際、そこで使用していたデジタル簡易無線とは別に、免許を要する陸上移動局(業務用無線)についても、変更の手続きをしないまま新事務所で運用を継続していたケースがあります。総合通信局による定期的な検査の際に、免許状記載の設置場所と実際の運用場所が異なることを指摘され、遡って変更許可の手続きを行うことになりました。
すべての変更が事前の許可を必要とするわけではありません。電波法17条2項では、総務省令で定める軽微な事項の変更については、変更後遅滞なく、その旨を届け出ることで足りるとされています(事前の許可は不要)。
軽微な変更として扱われる範囲は無線局の種別によって異なりますが、たとえば次のような変更が該当することがあります。
どこまでが「軽微な変更」として届出で足りるのか、どこからが「許可」を要する変更なのかは、無線局の種類や変更内容によって判断が分かれるため、変更を検討する際は、事前に総合通信局や専門家に確認しておくことが重要です。
周波数や空中線電力(出力)の変更は、他の無線局との混信リスクに直結するため、特に慎重な審査が行われます。
これらの変更は、単に「もっと遠くまで届かせたい」「別の周波数の方が空いていそうだから」といった理由だけで自由に行えるものではなく、技術基準や既存の電波利用状況を踏まえた許可が必要になる点を理解しておく必要があります。
事業拡大や移転に伴って、無線局の設置場所(基地局のアンテナ設置場所や、車載型・携帯型無線機の使用拠点)を変更する場合も、原則として変更許可の手続きが必要です。
特に、固定した基地局を有する無線局(陸上移動局の基地局等)の場合、設置場所の変更によって電波の到達範囲や、周辺への影響が変わるため、新しい設置場所を前提とした技術的な審査が行われます。
車両に搭載する移動局や携帯型の無線機については、あらかじめ免許状に「移動範囲」が定められていることが一般的で、その範囲内での移動であれば、都度の変更手続きは不要です。ただし、事業拠点自体が大きく変わる場合(本社移転、営業エリアの拡大等)は、この移動範囲の見直しが必要になることもあります。
よくある事例
警備会社が営業エリアを拡大し、これまで免許状に記載されていた移動範囲の外側でも無線局を使用するようになっていたケースがあります。免許状の移動範囲を確認しないまま運用を続けていたため、結果的に免許状の記載範囲を超えた無許可の運用状態になっていたことが判明し、速やかに変更許可の手続きを行うことになりました。
無線局の変更許可(または届出)は、おおむね次のような流れで進めます。
許可が必要な変更の場合、許可が下りる前に変更後の状態で運用を開始することはできません。 事業のスケジュール(移転日、設備更新のタイミング等)を組む際は、この審査期間もあらかじめ見込んでおくことが重要です。
Q. 変更許可の審査には、どのくらいの期間がかかりますか?
A. 変更内容や無線局の種類によって異なりますが、周波数や出力の変更を伴う場合は、混信の有無等の技術的な確認が必要になるため、一定の審査期間を見込んでおく必要があります。事業計画に余裕を持たせておくことをおすすめします。
Q. デジタル簡易無線(登録局)の場合も、同じように変更手続きが必要ですか?
A. デジタル簡易無線の登録局についても、登録内容(登録者名、設置場所等)に変更が生じる場合は、変更登録や届出の手続きが必要です。免許局に比べて手続きは簡便な傾向にありますが、無手続きでの運用変更は避ける必要があります。
Q. 無線設備を新しい機種に交換する場合、必ず変更許可が必要ですか?
A. 同一の型式・性能の機器への交換であれば、届出で足りる場合もありますが、異なる型式の機器への交換や、性能(出力等)が変わる場合は、変更許可が必要になることが一般的です。機器の交換前に確認しておくことをおすすめします。
無線局の変更手続きは、変更内容によって「許可」が必要なのか「届出」で足りるのかの判断が分かれ、技術的な審査事項も含まれるため、事業者自身での判断が難しい分野です。当事務所では、第一級陸上無線技術士・電気通信主任技術者の資格を活かし、無線局の変更手続きに関するご相談に対応しております。事務所移転や設備更新を予定している場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
無線局免許は、免許状に記載された周波数・出力・設置場所等の条件の範囲内でのみ運用が認められており、これらを変更する場合は、原則として事前の変更許可(軽微な変更の場合は事後の届出)が必要です。「事務所移転しただけだから」「機器を交換しただけだから」といった理由で手続きを省略してしまうと、電波法違反のリスクを抱えることになります。事業拡大や移転を計画する際は、無線局の変更手続きもあわせて検討しておくことが重要です。
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本記事は令和8年8月時点の情報に基づいて作成しています。電波法や関連規則は改正される場合がありますので、実際の手続きにあたっては、必ず最新の法令・総合通信局の見解をご確認ください。また、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の手続きの要否を保証するものではありません。

