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フロル行政書士事務所(横浜)
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「起業する人が増えているってニュースで見たけど、会社を作るのって今もリスクが高いんじゃないの?」
「周りでも独立して会社を作る人が増えている気がする。でも一方で、知り合いの会社が畳むことになったという話もちらほら聞く…」
「結局、今は会社を作りやすい時代なの?それとも厳しい時代なの?」
会社設立のご相談を受けていると、こうした漠然とした不安の声をよく耳にします。ニュースでは「新設法人数、過去最多」という明るい見出しが並ぶ一方で、実は同じタイミングで「休廃業・解散」も過去最多を更新しているという、あまり報じられない事実があります。今回は、最新の統計データをもとに、法人設立の「今」を数字でしっかり見ていきたいと思います。
所長 フロル会社が増えてる話ばかりが目立ちますが、実は「畳む会社」も同じくらい増えているんです。今日はその両方の数字を、包み隠さずお見せしますね!
東京商工リサーチの調査によると、2025年の新設法人数は15万7,011社(前年比2.0%増)となり、2008年の統計開始以降、過去最多を更新しました。ここ数年の推移を見ると、右肩上がりの傾向がはっきりと分かります。
| 年 | 新設法人数 |
|---|---|
| 2023年 | 15万3,405社 |
| 2024年 | 15万3,938社 |
| 2025年 | 15万7,011社(過去最多) |
独立開業やスモールビジネスの広がり、副業からの法人化、インバウンド需要を見込んだ事業展開など、会社を作る動機は年々多様化しています。「起業は今の日本で盛んに行われている」ということは、数字の上でも間違いありません。
ここからが、今回いちばんお伝えしたいポイントです。新設法人数が過去最多を更新した2025年、実は休廃業・解散も6万7,210社(前年比7.2%増)となり、3年連続で過去最多を更新しています。
さらに、倒産件数も2年連続で1万件を超えました。2025年度の倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、これは2013年以来、12年ぶりの高水準です。
| 指標 | 2025年(度)の数値 | 傾向 |
|---|---|---|
| 新設法人数 | 15万7,011社 | 過去最多を更新(5年連続増加) |
| 休廃業・解散 | 6万7,210社 | 過去最多を更新(3年連続) |
| 倒産件数 | 1万505件 | 2年連続1万件超(12年ぶりの高水準) |
会社を作る人が増えているのと同じペースで、会社を畳む人も増えている。この事実は、「会社設立ブーム」という言葉だけで捉えると見落としてしまいがちです。「会社を作ること」と「会社を続けること」は、まったく別の課題であるという点を、設立を検討している段階でこそ意識していただきたいと思います。
法人格の内訳を見ると、株式会社と合同会社の2つで新設法人全体の9割超を占めています。特に合同会社は、設立コストの低さや経営の自由度の高さから、近年増加傾向にあります。「どちらの法人格を選ぶべきか」は、設立後の資金調達のしやすさや対外的な信用力にも関わるため、事業内容や将来の展望に合わせて慎重に検討する必要があります。
新設・廃業の動きを業種別に見ると、好調な業種と厳しい業種の差がはっきりと出ています。
| 傾向 | 業種 | 背景 |
|---|---|---|
| 好調 | 宿泊業 | インバウンド需要の回復、宿泊単価の上昇 |
| 不調 | 建設業 | 資材高騰・人手不足等による経営環境の悪化 |
| 不調 | 燃料小売業 | 2025年は新設が大幅減 |
💡 同じ「起業ラッシュ」という言葉でも、業種によって実態は大きく異なります。自分が参入しようとしている業界が、今どちらの流れにあるのかを事前にリサーチしておくことも、設立準備の一環と言えるでしょう。
休廃業・解散、倒産がそろって過去最多水準を更新している背景には、いくつかの要因が重なっていると考えられます。
特に、設立から日が浅い会社ほど、こうした外部環境の変化に対する体力が乏しい傾向があります。新設法人数の増加は喜ばしいニュースですが、「立ち上げた後にどう耐えるか」まで含めて経営計画を立てておく必要があるということを、このデータは物語っています。
やや古いデータになりますが、2022年の調査では、コロナ禍でビジネスモデルが大きく変化する中、税理士・社会保険労務士・行政書士・弁護士といった、資格を活かした「士業」の法人化が進んだという傾向も報告されています。専門知識を法人という器に乗せることで、組織としての事業承継や複数人での運営がしやすくなるという狙いがあると考えられます。
ご相談の中でよくお見受けするのが、次のようなパターンです。
勢いよく会社を設立したものの、設立後の税務署への届出や社会保険の手続きを後回しにしてしまい、気づいたときには加算税や延滞金が発生していた。資金繰りの見通しも甘く、設立から2年ほどで事業を縮小せざるを得なくなった―。こうしたケースは、決して珍しくありません。
会社設立の相談では、登記の手続きそのものに注目が集まりがちです。しかし、休廃業・解散が過去最多を更新している今のデータが示しているのは、「設立できるかどうか」よりも「設立後にどう続けていくか」の方が、はるかに大きな課題であるということです。
会社を「作って終わり」にしないために、設立の段階から意識しておきたいポイントをSTEP形式で整理します。
資本金は登記のために必要な金額をクリアすれば設立できますが、実際の事業運営には、当面の運転資金(家賃・人件費・仕入れなど)が別途必要です。設立時点で半年〜1年分の運転資金の見通しを立てておくことをおすすめします。
税務署・都道府県・市区町村への法人設立届出、青色申告の承認申請など、設立後には複数の届出が期限付きで発生します。うっかり提出を忘れて不利益を受けることのないよう、あらかじめ全体のスケジュールを押さえておきましょう。なお、社会保険・労働保険に関する手続きは社会保険労務士の専門分野であり、必要に応じて連携先の社会保険労務士に相談することをおすすめします。
決算・税務申告は毎年発生する業務です。設立してから探し始めるのではなく、設立準備の段階から顧問契約先の候補を検討しておくと、その後の経営がスムーズになります。
飲食業や建設業、運送業など、事業内容によっては会社設立とは別に許認可の取得が必要です。許認可の要件を満たせないまま設立してしまうと、事業を開始できないという事態にもなりかねません。設立前の段階で、許認可の要否と要件を確認しておくことが重要です。
2025年の新設法人数は15万7,011社で過去最多を更新しました。起業のハードルが下がり、多くの人が会社設立という選択肢を取りやすくなっているのは事実です。しかしその一方で、休廃業・解散も6万7,210社と過去最多を更新し、倒産も2年連続で1万件を超えています。「会社を作ること」と「会社を続けること」は、別の課題です。設立の段階から、資金繰り・届出・専門家との連携・許認可までを見据えて準備しておくことが、これからの時代に会社を長く続けていくための鍵になります。
本記事の内容は、投稿時点(令和8年10月)の情報に基づいて作成しています。統計数値は東京商工リサーチ「2025年の『新設法人』最多の15万7,011社」および「2025年度の倒産1万505件」によるものです。最新の統計や制度については、必ず公表元の最新情報をご確認ください。

